2015年4月28日火曜日

日米首脳会談―「天王山」になるか

訪米中の安倍総理にとってオバマ大統領との首脳会談は正に政権の持続可能性にもつながってくる「天王山」と言えそうな行事、というか「ハードル」なのだろう。

米紙の報道はかなり厳しいらしい。Yahoo! ニュースではWall Street Journalの記事を紹介しているが、こんな下りもある。
記事はまた、安倍首相が第二次大戦中の日本の行動に関する謝罪について「あいまい」な態度を取っており、アジア地域の緊張を高め、米国の不信を招いていると解説。
27日付一面だから、良きにつけ悪しきにつけ、何を言い出すかと視線を集める渦中の人物なのだろう。ある意味、V.I.Pなのだと。そうなのかもしれない。

上の記事は訂正するべきだ。

『アジアの緊張をたかめ、米国の不信を招いている』の次に、『さらに、首相の言動には日本国内でも疑問や不安が広がっている』という語句を挿入するべきだろう。そう書いていないのは、訪米中の安倍総理に対する米側のリスペクトを表現するものだろう(としておく)。

どうしても戦前期・日本による「侵略」という文字には抵抗があるようである。報道記事を通してそう伝えられている。植民地経営が是とされる時代から門戸開放と非戦を旨とする時代に急速に移り変わったのが19世紀末から20世紀初頭にかけての潮目の変化である。その分水嶺はもちろん第一次世界大戦であったのだが、リアルタイムで同時代に生きていた日本の指導部は、時代の先手を打つという世界戦略的思考ができるはずもなく、ただただ少し昔に獲得した利権を守ることを最優先事項にしたのであった・・・・・・。そして少数の跳ね返りのエリート分子が軍部を押さえ思うがままの政策を実行した。国民や政治に基盤をもったものではなく、コップの中の軍国主義、大多数の日本人はやはり被害者であるという歴史認識はそう大きく間違ったものではない。こんな歴史観なのだね、小生は。

数学のように是非が明確につけられるわけでもないのが、世界史に生きる人間社会の現実だが、大日本帝国がもう少し賢明に行動できる余地は十分にあったと思う。しかし、これらはすべて「敗軍の将、兵を語る」であり、言えばいうほど愚か者扱いをされるだけの話しであろう。

やはり自国の首相である。一人の日本人としては今度の日米首脳会談が戦略的な中身に支えられた充実した会談になってほしいものだ。そう願うのだ、な。




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