2015年4月20日月曜日

アメリカ株の急落の影響はないようだ

先週末の米国株がダウ平均で前日比280ドル安のかなりの急落となったので、今日の東京市場はツレ安になるのじゃあないかと思っていたところ、先週末比55円高と案外しっかりしているので一安心しているところだ。

まあ、アメリカの株価低落だが、景気の実態が悪化したことによるものではないことはハッキリしている。



3月までの鉱工業生産指数の前年度比をグラフにしているが、上にみるとおり、足元では落ちているがリーマン危機後は概ね3%程度の安定的な回復を続けている。この基調に変化は全くない。



同じデータソースから非農業雇用者数を対前年増加数でみると、基調としては横ばい、というより増加トレンドにある。雇用の増加に懸念がないのであれば、景気が今後悪化していくと予想する根拠はない。

多少の心配があるとすれば物価である。


消費者物価指数の前年比上昇率は次第に低下傾向にあり、足元では<デフレ入り>寸前である。この背景に石油価格低下があったことはいうまでもない。

株価の低下は景気の悪化というより、物価の低下がもたらした貨幣的現象である。こうみるのが穏当だろう。


その株価も低下基調に入ったと即断できるステージではない。2014年の17000ドル水準から2015年は17500~18000ドルへ切りあがったか、と。そう思っていたところが、中々、抜けない。生産がリーマン危機後ずっとジワジワと回復・拡大している。そんなペースとバランスしながら、株価もジワジワと上昇している。まあ、そんな状態である。金融当局がいわゆる「流動性相場」を演出しようという意思をもっていない。これも図から読み取ることができるし、それが本筋でもある。



下がってきた石油価格(WTI)も、上のグラフにみるとおり、4月に入ってからは低落トレンドが一先ず落ち着いて、今後は(どこまで上がるかは不確定だが)反転上昇することはまず確実である。

米経済は、従来の常識とは真逆の状態になっていて、石油価格が下がれば先行き不安が広がるようになっている。ということは、石油価格があがれば楽観的な見方が広がる理屈だ。

例年であれば"Sell in May and Go Away"がNY市場の鉄則であったようだが、今年の5月がどうなるかは分からない。



0 件のコメント: