2015年7月19日日曜日

景気の先行きに迷う

安倍現政権の先行きは、(予想通り)取り巻きのチョンボと首相ご本人の「不徳」をきっかけにして、どうやら峠を越してきた感がある。

参議院で安保法案を修正して求心力を弱まらせるか。それとも、修正を拒否、衆議院再可決で押し通して、自滅をするか。まさに崖っぷちになってきた。

加えるに、原発再稼働承認とTPP妥結で政治的エネルギーは枯渇してしまうのではあるまいか。

いまはそう予測しておく。

しばくら政治のほうが面白くて、経済の方は放置してきた思いがするが、景気の方は一段と先行きが読みにくくなっている。

ギリシアは、何とかEUと折れ合って、EURO離脱という事態を避けた。これから季節は夏のバカンスで、小康状態となってきた。

株価は元の上昇トレンドに戻ったような気配すらある。

ところが。


ドイツのIFOから届いたメールマガジンによれば、ドイツ国内の景気は6月に入って拡大一服を迎えている。


Source: IFO

Der ifo Geschäftsklimaindex für die gewerbliche Wirtschaft Deutschlands ist im Juni auf 107,4 Punkte gesunken, von 108,5 im Vormonat. Der Indikator der Geschäftslage ging zurück nach drei Anstiegen in Folge. Die Erwartungen trübten sich zum dritten Mal ein und waren mehrheitlich nur noch leicht optimistisch. Die Aussichten für die deutsche Wirtschaft sind gedämpft.
要するに、先行き不透明である。

アメリカは、たとえばConference Boardの先行指数では順調に拡大している。



“The U.S. LEI increased sharply again in May, confirming the outlook for more economic expansion in the second half of the year after what looks to be a much weaker first half,” said Ataman Ozyildirim, Director, Business Cycles and Growth Research, at The Conference Board. “While residential construction and consumer expectations support the more positive outlook, industrial production and new orders in manufacturing are painting a somewhat more mixed picture.”
しかし、鉱工業生産指数の動きは6月になってもそれほど冴えたものではない。下図は季節調整済みではあるが、前年同月比をとっている。



アメリカの製造業は明らかに拡大テンポが鈍っている。

下図は、消費者物価指数の前年同期比である。物価は、1年前と比べて横ばい乃至低下という状態であることをみてとれる。


出所:上と同じ

CPIは、元々実態よりも高めの上昇率を示す傾向がある。一部の品目について修正されているとはいうが、それでも前年比がゼロ前後というのはこの1年間のデフレ的経済状況を伝えている。FRBが量的緩和の出口を探っていると何度も発言してきたのに、である。

ただ、物価については、個人消費支出の連鎖型価格指数でみることもできる。下図は季節調整済み前月比で5月までの数字を示している。


出所:上と同じ

前月比でみると、足元では上がっている。

一時のデフレ的兆候からは脱してきている。とはいうものの、生産はそれほど底堅いものではない。


ドイツを代表とする欧州、アメリカをみると、秋以降に景気はどうなっていくのか、弱気にも強気にもなれるところで、文字通り不透明である。







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