2016年6月22日水曜日

離脱と決まる前日にしてはこの株価はない: FT指数

22日のロンドン株式市場は、国民投票前日であるにもかかわらず前日比プラスにある。まだ終わっていないが、FT指数は現在、前日比0.6%の上昇だ ― 但し、午後遅くに入って下げに転じているようでもある。

残留派の労働党議員暗殺事件の直後、一時は残留派が多数を占めるようになっていた世論調査も再び離脱派優勢を示すようになったそうだ。

にもかかわらず、株式市場が前日比プラスであるとはこれいかに、だ。当てにならないのは、世論調査のほうか、それとも英国株に将来をかける経済人がノーテンキであるのか。

この点についての感想はともかく、だ。確実に言えることは、毎日毎日、イギリス国民の心情は刻々として変わるのだなあという事実である。

ということは、大事な国の方向が<その日の気分>で決められる。そういうことでありますなあ、ということだ。いいのかな・・・こんなことで。

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先日の報道記事のように、最終的には英国一国だけが選択の結果を負担することになるのだろうと考えられる。その外側の世界市場は、今回のイギリスの選択にほとんど何も影響されずにこれまでの軌道をたどっていくだろう。

英企業でさえも、世界市場を相手にしているメガ企業は、ブリテン島に執着する考えはなにもないだろう。

それでも、23日のイギリス人の投票結果は大きな波紋となって株価や商品市況を動かしていくだろう。生産設備調整を余儀なくされる企業も出てくるだろう。

確かに世界に降りかかってくるコストもゼロではない。原発事故を起こした日本に暮らす人間がいうセリフじゃああるまいが、本当に迷惑な話である。

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ギリシアは、EUを離脱して債務を踏み倒し、通貨を暴落させるほうが、最終的にはギリシア国民は助かったと思うはずである。しかし、まだ残留しているし、ギリシア国民も残留したいと思っている。

イギリスは、EUに残留し、大陸欧州への影響力を持ち続けるほうが、最終的にはイギリス国民はよかったと思うはずである。しかし、離脱したいと思っている。そして本当に離脱するかもしれない。

人は色々だが、国もいろいろだ。

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