2017年12月5日火曜日

慰安婦像増設戦術に対しては「抱き着き戦術」のみが有効ではないか?

韓国にとって従軍慰安婦像設置は今や日本に対する有効なソフトパワーアップ戦術になっている。

先日、サンフランシスコ市にくだんの像が寄贈される問題をめぐって大阪市は姉妹都市関係を解消すると通告し日本国内でも議論になった。

これを中国系市長と韓国系住民団体による連係プレーとみる向きもあるが、むしろ中国にとっての韓国が今や国家丸ごと日本に対する中国の倫理的優位性を国際社会において築くための戦略的ツールと化しつつある。こちらのほうがより重要だと思われる。

韓国という国は、中国が対日優位を構築するために間接的アプローチをとるとき<役に立つ駒の一つ>になりつつある、というよりなったと思ってみている。韓国の最適反応戦略は(中国からみると)極めて分かりやすいから。

明治以来、日本は朝鮮半島を国防上の最前線と見なしてきたが、いま現代において中国からみても朝鮮半島は地政学的にも、歴史的にも、自国防衛上の最前線としてみていることは自明だろう。

韓国の外交行動は中国の戦略的意図の反映であるとみる視点が大事だ。韓国もそのことを理解しているはずだが、ナッシュ均衡を崩すための勇気あるコミットメントを政府が行うには常に政治基盤が不安定である。

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アメリカはどのような思考に基づいて第二次世界大戦後の対アジア外交を展開したのだろう。小生も勉強不十分でそれほど当該分野の知識はない。が、アメリカにとって戦後の東アジア情勢は予想外であったろうと推測する。中国共産党政権の誕生、朝鮮戦争の勃発、朝鮮半島の南北分裂まですべてアメリカにとっては想定内、計画通りの進行であったとはいくら米政府も強弁しないだろう。

そのアメリカはいままた「日韓従軍慰安婦問題」がここまで引きずられてくるとは思っていなかったと思われる。

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この問題があるゴタゴタした経緯をへて認知されて以来、現在までかなりの時間が経過したが、このような場合、韓国にとって最も嫌な日本の出方は<偽善>だろう。

世界の女性共通の現代的問題と日本もまた認識し、国際的に主導的に活動し、従軍慰安婦像の設置には反対せず、むしろ全ての女性の視点から悔恨の意を表明し、設置賛同の志を金銭的にも寄付するとすれば、韓国としてはその寄付を拒否するかもしれない。受け入れれば日本の偽善は成功するし、拒否されれば拒否されることが日本にとってプラスとなるだろう。

ましていま現在、日韓合意に反する行動を韓国側がとろうとしている点それだけでも、日本は1,2点をとっている戦況である。

歴史問題に関連して日本の対決的姿勢は韓国が想定している反応であり、韓国(及び中国)が最も緻密な外交戦術を構築している領域だろう。相手の予想する行動はとらないのが紛争で優位を得るための王道である。

同じ敗戦国のドイツも歴史問題については対決戦術はとっていないはずだ。




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