今朝の朝刊で記事になっていたのだが、自民党に所属する某国会議員が(想像するに)次のような趣旨の挨拶、というか祝辞を結婚披露宴で述べているそうだ。
前略・・・ええ、昨今の少子化・高齢化が進む日本の未来を少しでも明るくするためにも、是非! ご新郎、ご新婦のお二人におかれましては、できればお子さんを二人、いや必ず三人以上は(笑い)、おつくりになって育てられて、先達から受け継いだこの私たちの日本という国を、次の世代へと伝えていっていただきたい、【少し取り乱して】あ~、エエ~、つい私の日頃の職業病が出てしまいまして、ご列席の皆様のお耳を汚してしまいましたなら平にお許しをいただければと存じますが、世の中にはお子さんが欲しいと思ってもさずからないご夫婦もいる、人様の子供の税金で老後を送る、私はやはり考えていただきたく、若くこれからの日本を支えるお二人には乗り越えるべき問題として意識していただきたい、日ごろからいつも感じているものでございますから、こうしてお話しさせていただきました。ご新郎、ご新婦のお二人には是非実りある人生を歩んでいかれることを心から願っている、そんな私の気持ちとしてお受け取り頂ければと存ずる次第であります・・・云々これが問題となった。「結婚式で『必ず三人以上の子供を産んで欲しい」と呼びかけている」と報道されている。正直、噴飯というか、吹き出してしまった。親戚の甥や姪であれば分からないが、まあ人様の結婚式に招待されて、小生ならここまでは言わないネエ・・・とは感じる。
首相の所属する清和会(というのが報道の動機であったのだろう、まあ、小生の感性にも合わない政治グループではあるが)、そこの会合で某議員がそんな話をしたそうである。それが、どうしたことか、リークされてしまってマスコミの記事となり、議員は発言について謝罪をする事態にまで追い込まれてしまった・・・。まあ、当の議員は今回の騒動をもネタにして、同じ趣旨の挨拶をして、披露宴の客を喜ばせることだろうが・・・。
細かな言葉づかいは分かりようもなく、実際に披露宴に招待された来賓客のスピーチを無断で録音する不作法な人がいるとも思われないのだが、大体は上のような挨拶をしているのではないだろうか ― 議員という人たちは挨拶慣れしているので、市販の「挨拶百選」にも掲載されているような文例に近い言葉づかいであることが多い。
それにしても、
いかに国会議員という公職であるにしても、結婚披露宴の来賓祝辞という名目で語っているというその言葉がオープンになり、それが問題化し、謝罪、撤回する事態となっている。決して話してはいけないことなのだろうか・・・?小生は、正直なところ、そう思った。
国会議員は自分の思っていることを、私的な席でも語ってはいけないのだろうか?禁止されているのだろうか?結婚披露宴は一般大衆とは無関係の純粋の私事、プライベートな空間である。そこで聴いている人たちが好いと思えば好いのではないのか。もし好いと思われなければ、議員個人が嫌われるだけの話ではないか。そこまでの話にするべきことである。
このような世相の延長上にあるのは、個人の生活にも公益を名目とした盗聴が入り込む可能性だ。
「セクハラ防止」という社会的目的は、盗聴やプライバシーの侵害をも打ち消すほどに優先されなければならない目的なのだろうか。極めて疑問である。
セクハラ防止が実行されなかった従来の日本社会は別に崩壊はしていない。それどころか、発展して、非常に洗練された文化をつくって、日本文化が世界市場で利益になる時代すらやってきた。が、盗聴や個人の自由の侵害を許すような社会が到来すれば、戦前期に経験したような恐ろしい社会になることは確実である。そこでは公益が万能であったのだ。公益を振りかざす社会ほど怖い社会はないということを、日本人は勉強したはずなのだが。
メディア産業の各社は本当にそう思っているのだろうか?
「公益」と「善」とは別物ですよ。公益に奉仕するものと信じて行動したところが、実はそれは悪行であった・・そんな事例は無数にありまさあネ。私たち日本人だって戦前期ニャア、そんなことをやらかしてましたよ。エッ! 覚えてない? 聞いたことがない? 忘れちまうには、まだ年数、たってないでしょうが。そう思いますがネエ・・・。ホントに、あなた方、大丈夫でンすか?
どれほど不愉快に感じようとも、人の話しはその人の話しとして聴いた方がよい。世の中そんなものだ。金正恩がどんなに嫌だろうと話を聞かないわけにはいかないだろう。嫌なことは聴きたくもない。そのような態度は国全体を変な方向へと導くものである、と。小生は、そう思うのだがネエ。
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