2025年7月6日日曜日

ホンノ一言: ロ対ウ、中国が中立でないと日本が騒いでもしょうもないと感じるが

スマホでLINEニュースを何気に閲覧していると、中国の王毅外相が欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表に対して

中国政府としてはロシアがウクライナとの戦争に敗れる事態は受け入れられない

こう伝えたという記事が目に入った。

そりゃそうでしょう

と小生は思った。ところが、同じ記事を読んでいくと、

ウクライナ戦争での中立を掲げる中国政府の公の立場とは相反する発言となる。

こう書かれている。これは記事を書いた記者自身の意見になる。

この記者は理屈というのが分からない人なんだネエ

と感じた次第。


単純なことだ。

ロシアが敗れるというのはウクライナが勝利するということだ。それは望まないというのが中国政府の立場ということだ。しかし、「ウクライナが勝利しない」イコール「ロシアの勝利・ウクライナの降伏」ではない。

《中立》というのは、戦争当事国のいずれの側の勝利も願うものではない、故にいずれをも支援しない。これが元の意味である。

中国政府がロシアを暗々裏に支援している事は周知の事実と言ってもよい。だから、中国がロシア・シンパであることは明々白々だ。

だからと言って、ロシアの勝利、ウクライナの降伏を望んでいるかといえば、それは違うような気がするのだ、な。


つまりは《終戦》ではなく《和睦》。これが中国の願望であろう  —  そのために何が出来るか、何をしているか、何をしようと考えているかは、また別だが、ロシア有利の停戦を望んでいるのは確実だと思われる。ロシアが体力を残したまま有利な形で停戦をするが、ウクライナは残り、不和の火種が残り、テロが続発し、ロシアは手こずる。ロシアの財政を圧迫する。北京政府にとって、こんな情勢が悪いはずはない。

案外、ロ対ウの戦争に関しては、アメリカのト大統領と中国の北京政府の目標観は意外と重なる部分がある。少なくとも相互排除的な関係性にはない。そんな気もするのだ、な。


戦争継続を望んでいるのは、むしろ(今に至っては)ウ国の大統領もそうだが、欧州であろう、と。つまり停戦後のロシアの復讐、欧州の締めあげが怖いので、この際プーチン政権の息の根を止めたい。こんな《恐露心理》が蔓延しているのでありましょう。自ら好んで火に飛び込んだ、と言うしかありませんが・・・

「フランス革命」以来、「国民国家」を建設した西欧先進国を中心に「自由と民主主義こそ理想なのである」と叫び続けてきたのだが、それなら何故こんな事態になっているのか?

どこかの何かが間違っている……、何だか今のヨーロッパ(EU)は氷山と衝突したあとのタイタニック号を連想させる……


いま21世紀の世界で言えることは、多数の独立した武装国家が併存する中で、どちらかの陣営が無条件降伏するまで戦う20世紀型の戦争をやっていては、もう世界がもたないということだろう。

世界には《最終調停機関》が存在しない以上、戦争は頻発する。しかし、「陣営」はつくらず、当事者の勝手にまかせる。戦争を拡大させない。こんな姿勢をとろうと思えばとれる。であれば、日本(中国も?)の戦国時代、ヨーロッパの中世から近世にかけての《限定戦争モデル》に近い。戦争は紛争当事国の政治意志の延長として観るのがよいということだ。

戦争の目的に敵国の消滅を含めても此方側の犠牲が増えるだけである。戦争目的を達成すれば十分だ……、小生はこんな時代にノスタルジアを感じる。生まれてもいないのに、ノスタルジアも何もないのだが……。

このモデルに《核武装》という選択肢が触媒になるのか、リスクになるのか、これは専門家ではないので、確かなことは書けない。

前にも一度書いた記憶(例えばこれ)があるが、こんな方向を個人的には希望しているし、いやでもこうなっていくのではないかと予想している。

大体、こう観ている所であります。

ちなみに、上のような「限定戦争モデル」が支配的な時代においては、いわゆる《民主主義》、《国民国家》という統治モデルは、適していない(ような気がする)。が、これはまた、別の機会に。

【加筆修正:2025-07-07】

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