2025年12月22日月曜日

断想: 頭脳を備えた木鶏こそ最高のトップである

福沢諭吉の『学問のすすめ』だったか、『福翁自伝』の方であったか、しかと覚えていないのだが、福翁が若かった幕末という時代、尊王攘夷に燃える志士たちは長い日本刀を腰に差して、何かといえば守旧派を惨殺しようと血眼で斬るべきターゲットを探していた、マ、福翁の語る「思い出の世相談」というところだ。それで、より過激なテロリストはより長い日本刀を差しているというので、福沢は刀の長さを測る測定単位を《バカメートル》にすればよいと提唱した。そういう話である。


いまの世相に当てはめるなら「親中派」と「反中派」に二分類して、対中外交を冷静に進めようとする政治家を「媚中派」と罵る手合いを呼ぶのに、《狂日派》という言葉は意外と的を射て福翁の「バカメートル」に通じるところがある。

狂日派でも、妄日派でも、凡日派、煩日派でも、同じニュアンスになる。

サッカーのW杯でも、野球のWBCでも、《狂〇〇派》が人間集団全体をリードする舞台は多い。

しかし、外交や国防、財政など社会の運営においてコアな領域では、エンターテインメントとは無縁であるから《狂〇〇派》は求められていない。というか、出方を先読みされて、相手に利用されるだけである。


碁でも将棋でも、初心者のうちは、とにかく石を殺したがる、駒をとりたがるものである。

亡くなった父は

いまだ木鶏たりえず

が好きであったが、木鶏は木鶏でも頭脳を備えた木鶏は、最高のトップである。

先日も書いたが

対中外交の失敗は対米外交の失敗につながる敗北の方程式である。

対中外交には失敗して反中姿勢をとったが、対米外交で失敗をリカバーできて米政府は親日姿勢を選んだ。だから日本は救われたという、そんな前例は知らないし、将来にもそういう可能性は期待しがたいと思う。米政府は(せいぜいが)仲裁的立場をとる。この程度は期待してもよい(かなあ?)と観ている。

しかし、戦前期の満州事変を国際連盟が調査した報告書である『リットン報告書』にも(コアの部分で日本の利害が肯定されていたにもかかわらず)猛反発した日本人のことだ。日本を支持せず、日中の仲裁を始めようとする米政府をみて、日本人は「同盟国にあまりに冷淡である」」と恨みを抱き、対米不信の気持ちを高めるに違いなく、その反応はアメリカにも伝わるであろう。アメリカにはアメリカの立場があり、利益があるという側面に目を向けない・・・

何だか目に見えるようでありますナア・・・

(日本はずっと非民主主義的であったので)サンプルサイズは一例のみだが、日本史上空前の「大崩壊」の記憶がいまだ褪せないうちに、またぞろ同じ失敗を繰り返すなら、文字通り『バカは死ななきゃ治らない』と第二次世界大戦の旧・戦勝国の国々から論評されることでありましょう。

【加筆修正:2025-12-23】




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