2012年10月18日木曜日

話しのタネ ― マリー・アントワネットの靴、地球ゴマ

前の「日曜日の話し」でフランス革命時の王妃マリー・アントワネットの肖像画を使ったら、本日の読売新聞にはこんな報道があった。マリー・アントワネットの靴の話しである。
【パリ=三井美奈】フランス革命で処刑された国王ルイ16世の妃きさき、マリー・アントワネットの靴が17日、パリで競売にかけられ、約6万2000ユーロ(約640万円)で落札された。 
靴のサイズは約24センチ。白と緑の縞しま模様の絹で覆われ、リボン飾りがついている。ヒールは木製で、白い皮革で覆われている。 
王妃がベルサイユ宮殿に出仕した貴族から1775年ごろ贈られたものとされる。落札予想価格は8000~1万ユーロだった。 
競売ではルイ16世一家ゆかりの品々が出品され、王妃が革命で捕らわれる直前、身に着けていたとされるドレス生地の断片には、約6100ユーロ(約63万円)の値が付いた。(2012年10月18日10時45分配信)
 サイズは24センチというから現代日本人女性の平均的な体格と同程度であったろう。身長は分からないが160センチ前後だったのかなあ、ウェイトはどの位だったのだろうとか、色々と想像を刺激される。それにしても落札額が640万円か・・・。今春、ニューヨークのクリスティーズで落札されたセザンヌ「習作‐カード遊びをする人々」は15億円だった。紙に描いた簡単なスケッチであり、水彩画である。

単なる旧い革靴と鑑賞に耐える水彩画との違いはあるが、それにしても640万円と15億円。生きていたときの職業は王妃と「売れない画家」、文字通りの月とスッポンだ。評価額640万円は安いなあと思うのだが、こんなものか。もしこれがナポレオンの愛用した軍靴となると、より高値がつくのか、靴などはそんな相場であるのか、小生にはよく分からない。

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地球ゴマという玩具はまだ販売されているのだろうか。販売されて最近の子供たちもそれで遊んでいるのだろうか。小生の幼いとき、年上の友人が地球ゴマを糸に乗せたり、糸の上をはわせながら移動させたりしているのをみて、その情景がいまでも印象に残っている。自分では地球ゴマを一度は買ったか、買わずじまいであったのか、記憶がない ― 自分で買ったのだとしても、いざ自分で遊んでみると、それ程面白くもなかったのであろう。

その地球ゴマの夢を今朝方みたのである。と言っても、コマとしてではない。どこの外国だろうか、格安航空会社を利用していて、その便に乗ったら、鉄骨やトンネルをすり抜けるように飛行し始めた。機体は時に垂直、いや背面飛行かと思うほどに傾いているのが窓の外を見ていてわかる。それでも自分の体は傾いていない。「ああ、地球ゴマ方式というか、椅子が常に水平であるように設計されているのだな」、夢の中でそんなことを考えている。地球ゴマだから離陸するときも水平のままである。急降下するときもずっと水平である。

そのうち、海の上に出た。船が往来している。肉眼で甲板を歩いている人がよく見える。飛行高度はずっと200メートル位である。そんな超低空を高速で飛んでいる。周囲の景色をみると、別の飛行機も同じくらいの高さを飛んでいて、すれ違ったり、追い越したりしている。レーダーと衝突防止自動制御機能が備わっているのだろう。ちょうど東京都心、シドニー都心の交通状況が2次元平面から3D空間に次元拡大されたようであり、要するに大変混雑している。「これはいつの時代なのか・・・、数えきれないほどの飛行物体はそれぞれ定まった航路を飛んでいるのか?」、夢の中で一生懸命考えていると、やがて着陸した。そこで目が覚めた。

起きてよく思い出すと、地球ゴマは回転盤がずっと水平であるわけではない。「ちょっと違うなあ」、そんなことを考えているうちに、細かい部分は思い出せなくなった。ギリシアの哲学者プラトンは魂は永遠であり、何度も肉体的な生と死を繰り返すと考えていた。生まれるときに魂は前にこの世で生きた時の出来事を全て忘れてしまうということだ。それは夢で見た出来事を起きた直後は覚えていても、じきに思い出せなくなる。そのことと似ているのかもしれない。

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