退職したら白老の辺りに隠宅をかって、特に雪の多い厳冬期はあちらで過ごそうかと思案している。最初に菩提樹を植えて、次に桜の樹を植えたい。それから自然条件が許すなら、バラを作って画題にしたり、コンテストに出品したりするかと夢想している。日本バラ会もあるし、国際団体もあるようだ。ま、引退したシャーロック・ホームズが、探偵とは全く関係のない養蜂家に転身したようなものだ、な。
以前、同僚とパスタを食べながら雑談で教わったのだが、その友人がイギリスに出張して、あるB&Bに宿泊した。翌朝、空は気持ちよく晴れて屋外を散歩したそうだ。すると芝刈りをしていた初老の紳士が挨拶をしてきた。中に戻ってマダムに「本当に綺麗な芝ですね、メンテが大変でしょう?」ときくと、「うちの人が一生懸命にやってくれるので任せているんですよ」と言われた。そうか、あの御仁はご主人だったのか、このホテルのオーナーというわけだな。で、マダムがさらに話した。「ああ見えて、主人は英軍の特殊部隊でずっと隊長をしていたんです」、特殊部隊の隊長ともなれば救難活動にも従事するし、爆弾テロ対策にも出動する。犯人グループを急襲して制圧するのも特殊部隊だ。あの人がねえ・・・「いまはとても楽しそうに見えますよ」、そういうとマダムは嬉しそうな表情をしたという。
何気ない話だったが、この話しは、小生、とても気に入った。
ノルデもバラを描いている。
Source: The Athenaeum
バラの品種にEmil Noldeという種類があるのを知った。情報源は「エミール・ノルデの水彩画」で、どうやら小生とは同好の士であるようだが、そこでバラのことをしった。
ノルデが使う黄色には情念が込められているが、上のバラは清らかな印象で、背後に色々な煩悩や汚辱を悔恨を隠し持っているようには思われない。
そんな負の要素を持っていないからこそ、美しく、かつ短命なのだろう、と。長寿は執着とも相通じ、執着は美しいか、醜いか、どちらだと問われれば、それは「醜いさ」と答えざるを得ない。全く同じことを「徒然草」の著者も書き残している。
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