小生: それにしても東電の原発管理はお粗末だったねえ…
カミさん: まだ福島では汚染水が出てるんでしょう?ようしないんじゃないの?なぜ国がしないのかしらねえ…
小生: そりゃ、原発は国策で進めたわけだから、本当なら国が責任をもって事故の後始末はしないといけないところだけどさ。だけど、もし福島第一を国が責任をもってやるなんて言ったら、除染に▲▲兆円、被害者支援に■■兆円いるって話になって、財務省がウンというはずないよ。東電が会社ぐるみ身売りして、それでも足りないという状況を作れば、今度は世論の方が国も責任をもてっていう話になるんだろうけどねえ。
カミさん: みんな無責任だよね!
小生: そりゃあ、無責任だよ。絶句するほど無責任さ。東電だって生き延びるのに必死だしさ、まあ、あれだね。東電が、東電がと言いながら、電力業界を政府の思うとおりに作りかえて、最後にはつぶしてお金に換えて、後始末に使う腹だとは思うけどなあ。ま、とにかく、総理も大臣も東京電力には怖くて手を出せないんじゃないのかなあ。ちょっとでも手を出せば、『国だって責任あるだろう!』となるからね。
カミさん: 福島県の人たち、どうして黙っているのかしら?
小生: これが千葉、茨城だったら大変さ、とっくに暴動が起こっていると思うよ。まあ、福島の人たちが1万人規模で霞が関に集結して、大規模デモを何回もすれば、政府も腰を抜かして、やるべきことをするだろうけどね……。大河ドラマの舞台を会津にしてくれたくらいで喜んでいる場合じゃないな。
先日、久闊を叙した旧友たちとの雑談でも話題になった。
友人A: おれたちの同期で東電に行った奴いたか?どちらにしても、大震災の前後で人生が、文字通り、暗転したわけだ。今日はこんな報道をされている。
友人B: 知らない。おれの周りにはいない。
小生: いなかったなあ。
友人A: 一人いたよ。さえねえ奴だったけどな。
小生: まだいるの?
友人A: 会ったことないから知らねえよ。
友人B: 電力会社に就職するって、あまり考えないっていうか、最初から目指すところじゃなかったような気がするんだよね。どうだった?
友人A: 給料が良かったんだろ?
小生: メーカーは競争が激しくて安いけど、メーカー類似にしては電力は高給取りだったからな。
8月20日(ブルームバーグ): 東京電力は20日、福島第一原子力発電所で汚染水を貯めていた地上タンクから300トンの汚染水が漏えいしたと発表した。都内で会見した尾野昌之原子力・立地本部長代理によると、タンクからの汚染水漏れは過去4回発生しており、今回の漏えい量が最大になるという。韓国政府からは汚染水漏れの情報提供を要請されているとのこと。
(中略)同氏は、漏えいの原因は不明でタンク内で水が漏れた場所も特定もできていないと話した。現在も漏えいは継続しており、東電は堰の内側や漏えいしたタンクから水をポンプで回収し、別なタンクに移している。今後は水が染み込んで汚染された土壌を重機で除去するほか、排水溝への汚染水の侵入を防ぐため、土のうを積み上げることなどを予定している。(出所)Bloomberg.co.jp, 2013, 8, 20
【ソウル=小倉健太郎】韓国外務省は19日、福島第1原子力発電所の汚染水が海に流出している問題で、流出状況などの資料を日本外務省に要請したと明らかにした。日本からは7月下旬以降、3度にわたり関連情報の提供があったが、追加で確認したい事項があるためという。(出所)日本経済新聞、8月20日朝刊2010年のメキシコ湾原油流出事故を起こした英国・ブリティッシュペトローリアム(BP)社は事故処理費用を調達するため、同じ年の2010年に早速300億ドル(=3兆円)を計上したという。ところが、しばらくたって昨年の11月時点に次の記事が出ている。
【ロンドン=松崎雄典】英石油大手BPは15日、2010年4月に発生したメキシコ湾原油流出事故での過失を認め、米司法省および米証券取引委員会(SEC)に合計約45億ドル(約3600億円)を支払うことで合意したと発表した。欧米メディアによると、企業の過失を問う罰金では過去最高額。米史上最悪の原油流出事故の影響の大きさを重くみた。最近になって補償基金も払底したとの報道があった。
ボブ・ダドリー最高経営責任者(CEO)は声明で「事故での過失を謝罪する」と述べ、11人の死亡につながった管理ミスや不作為を認めた。
課徴金を支払うほか、生態系保護を目指す基金などに資金提供する。期間は3~5年。
BPはこれまで381億ドルの事故関連費用を決算計上してきた。15日の合意で、さらに38億5千万ドルの追加費用が発生する見通し。今回の費用負担がBPの経営を大きく揺るがす可能性は低いものの、なお中央や地方政府、民間事業者などとの民事訴訟を残す。(出所)日本経済新聞、2012年11月16日
【ロンドン=松崎雄典】英石油大手BPが、2010年4月に発生したメキシコ湾原油流出事故の賠償金の増加に苦しんでいる。賠償を求める個人や事業主が増え、個々の損害額も当初想定より膨らんだ。200億ドル(約2兆円)の補償基金はほぼ払底し、BPは「不合理な支払い」と主張している。企業が不祥事の責任をどこまで負うべきか、米国内で波紋を呼んでいる。
事故で被害を受けた湾岸住民やホテル、漁業などの事業者、州や地元政府といった10万を超える原告がBPを訴え、昨年3月に和解。ところが、和解金がBPが想定した78億ドルから日増しに膨らんでいる。(後略)(出所)日本経済新聞、2013年8月1日ま、BPは資本金が2011年末時点で111,465 Million USドル(=約11兆円)あるメガ企業なので、原油流出事故だけで倒産するとも思えない。対する東京電力は2013年3月末時点で1兆4千億円程。BPの概ね10分の1である。そもそも、今後、電力市場は競争が激化する見通しである。事故処理費は、理屈からいってサンクコストであり、電力料金値上げで回収するなど、本来は不可能のはずだ。だから事故処理費用はそっくり資本を毀損するものと考えておかないといけないのではないか。到底、1兆円そこそこの資本金しか持たない企業が処理できる事故ではないのだ。増資を計画しても、資本市場から資金を調達できるはずがない。貸す銀行もない。
BP社がいま置かれている境遇をみても、東京電力という企業はもう企業生命を終えていると見るべきだ― 国有化されたいま、緊急治療室にいるわけだが、公的資金を返済してまた復活するのが経営目標であろう。そんな風に活かしておく方が便利だからといって、政府が自らの責任を避けるための<隠れ蓑>にするべきではないと思うのだが、どうだろう?
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