今日は試験監督を二コマやる。午前に一つ、打ち合わせをしてから午後にもう一つだ。この位は以前ならまったく何ともなかった。かえって体が温まって、後の仕事が捗ったくらいだ。それがどうだろう。北海道とは思えないほどの湿度と暑気にまいったのだろうか、終わって部屋に戻ると、ぐったりとなって一時間ほど居眠りをむさぼる。全く、情けなや…、亡くなった祖父が『麒麟も老いては駑馬に劣る』とよく言っていたが、天をかける麒麟も齢をとったら、農作業で使われるような駄目ウマと競争しても負けてしまうという意味だ。
惨状…と言えば、いまの民主党を上回る惨状を呈している元花形はあるまい。昨年まで政権与党であったのだ。いまの安倍首相の前任者は民主党の野田首相なのである。アンビリーバブルだ。
ブログに傑作を見つけた。最近はリンク集を書かなくなったが、小生が思っていたのと寸分違わぬ内容であったので、覚書に記しておきたい ― なくならないとは思うが、ブログは時に消えてしまうこともあるので、要点だけ記しておく。元の文章はここ、ブログ『ニュースの社会科学的な裏側』にある。
民主党没落の第一の原因は「誰のための政党なのか」を自覚しなかった点だろう。これは2009年の政権交代を前に新時代を迎えるかのようにテンパっていた友人に投げた質問である。「一体、どんな人たちの利益を代弁するのか?」と。
民主党の支持母体は、端的に言えば労組、日本労働組合総連合会だ。このことから自らが企業の従業員の利益を代弁すべきだと認識すれば、実の所は個別の政策で右往左往したり、支持を落としたりする事は無かった。
TPP交渉参加の是非などは、投資環境の改善は雇用機会の増加につながるので、即断できるわけだ。兼業農家が犠牲になる気もするが、彼らは資本家だと割り切ればいい。原発問題も工場などの稼働率を考えれば、自ずから稼動する方向で結論が出る。原発稼動は不人気政策に思えるが、反原発派は首長選で総じて負けている。
厳しい労働環境とされるワタミの創設者である渡邉美樹氏を都知事選で推薦することもなかった。7月の参院選で自民党を攻撃する最もキャッチーな材料であったはずだが、推薦履歴により上手く生かすことが出来なかった。そもそも敵味方の識別さえついていなかったわけだ。
独自に推し進めるべき政策も明らかになる。女性も労働者なので、就業者への出産・育児サポートなども主要な主張になりえる。雇用規制の緩和やブラック企業問題に関しては、もっと積極的に関与する必要がある。労働者にとっては企業の利益は、本来、どうでもよいのだ。労働者は経営状況などは二の次にして賃上げを求めるべきなのだ。それによって利益が低迷して、株価が低迷して、企業が買収されても、現場を支える人間は常に必要とされるのだ。没落するのは経営陣である。もちろん経営者はこれでは困るから、安い移民労働力の自由化を望むだろう。海外投資のリスクを避けて、国内で利益を出そうとすれば、それが最善なのだから。経営者は規制による保護を求めることもあるが、利益機会があれば自由を求める。それが本来の姿だ。そこで国論が二分される。だから活力がいや増すのだ。
つい先日も書いたが、経営陣と従業員は同じ船には乗っていない。労働者=生産現場の人達の利益が増えるように、それだけに徹底して政策を提案するなら、労働者のほうが経営者より多いのだから、有権者の半分以上は、本来、とれるはずである。それでも、駄目なら、日本の有権者は自分たちの暮らしではなく、暮らしを犠牲にしても実現したい夢が先にあるのだろう。ならば、その夢とやらを民主党が把握して、実現の方法を提案すればよい。
反原発や反オスプレイは労働者利益に結びつかない。そんな事を主張するのにエネルギーを使っているから、労働者から見て労組は不要物に見える。冷戦構造下でソ連など共産圏の影響を受けた“左派”が労組を組織して、ひたすら反自民や反米を主張して来た伝統なのであろうが、労働者利益など眼中に無いようにさえ思える。いやあ、ここまでズバズバ言えば、さぞや痛快であろう。まったく上のブログの著者が羨ましい。
そういえば「生活の党」というのがあったなあ。民主党を<陶片追放>された小沢一郎が創設した、というか簒奪した政党である。生活が第一という割には、労働者の生活向上とは真逆の政策を提案していた記憶がある。案の定、昨年末と今夏の選挙では壊滅的大敗を被ったが、もはや政策がもたらす結果を科学的に予測する能力すらもなくしている実情がよく伝わってくるではないか。
政党の命はやはり政策である。その政策の提案を行うときには、誰の利益を代弁しているのか。ここの所が政党の存在理由を構成していると思うのだ、な。まさか<国民の皆さん>の利益などと、そんな寝呆けたことは、もう言わないよなあ……、それとも国会議員も公務員であって、公務員は一部の国民ではなく、すべての国民に奉仕しなければならない…民主党には弁護士や官僚出身者が多いから、政治家として落第しそうな人が多いのも、案外、その理由は大事なことを思い違いしているせいかもしれない。
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