2017年9月8日金曜日

スーパー受難の時代: 「欠品1回」のこわさ

最近のヘルシーブームに乗っかって我が家も東洋ライス製「金芽ロウカット玄米(無洗米)」の優良顧客になった。

この商品、玄米の表層をのみカットしているので通常の玄米と栄養素は変わらないまま、炊き方は白米と同じである。かつ、食味も白米とほとんど同じで、特に茶漬け、チャーハンなどにすると白米よりも美味い(と小生宅では話している)。言うまでもなく、玄米は万能食と言われており、玄米では摂取できない栄養素をあげたほうがよいくらいだ。

最初、この食品を知ったのはCOOPのトドックである。ところがトドックは便利なものの配達は週一回で毎日食べている食品がなくなったときは不便。先日、いきつけのイオンで探してみるとあるではないか。『いま評判だからサ、置いているのは当然だよ』とカミさんと話したものだ。

本日は、隣町S市にあるイオンモールに買い物に出かけた。ついでに残り少なくなったロウカット玄米を買って帰ろうと思った。が、ないのだな。『扱ってないみたいだよ』、『でも近くのイオンにはあったんだから・・』、『売り切れかなあ?』、『もし売り切れなら、札があってそこが空になっているはずだしネエ』、『それもそうだなあ、ある期間だけ置いたりしているのか?』。

結局、今日は断念して帰宅したが、戻ってからアマゾンを検索すると、2Kg2袋が2480円で販売中だ。プライム会員なら通常配送料無料。『これは買いだヨネ!』、『そうだね』となる。

購入チャネルはこうして古い購入先から新しい購入先へとシフトする。新しい購入習慣が形成され、やがて定着する・・・。

◇ ◇ ◇

注文してから思った。これは確かに小売業界は危機だわ、と。

アメリカは、いまいかにしてAmazonとつきあっていくかが生き残るための大問題になっているようだ。ウォルマートは徹底的に戦うらしいが、その帰趨は予断を許さない。Amazon Echoの日本語版が発売されれば、日本国内の小売業界も一気に激変するに違いない ー まだ日本語対応品発売の予定はないそうだが。

スーパー、というか大規模小売店は売れ筋を大量販売・大量調達することで価格支配力を維持し、それによって利益を出してきた。しかし、品揃えを売れ筋に集中すれば、マージナルな商品を外すことがある。もともと消費者は、色々な多種多様なものを本来欲しているものである。そんな心理でいながらスーパーに並ぶ標準品をみると「これでイイか」と思って買ってきた。消費者がスーパーに合わせてきたのだ。

ところがAmazonを検索するとズバリ欲しいものがいつでも買える。住んでいる場所は問わない。「欠品1回」が「わざわざ行っても置いてないかもしれない」という憶測につながる。「じゃあ、いまAmazonに注文するか」となる。

今後も既存の大規模小売店は顧客の流出、販売チャンスの喪失に悩むことだろう。有効な対抗策はあまりない。売り方・買い方が激変しつつあるのだ。今後、日本人の買い物の基本スタイルは一変するだろう。その変化はスーパーなる業態が誕生した時を超える激しい変化になるに違いない。手にとって買いたいものは確かにある。が、それを買うスペースが既存のスーパーである可能性は低い。

面白い時代、と言うより怖い時代になった。そう思った今日一日である。

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