2018年11月2日金曜日

これは「丁寧」ではなく「バカ丁寧」だ

上の愚息は小生と同じ市内で、「地道に」といえば聞こえはいいが、あまり収入にならない雇用形態の下で独立して生計を営んでいる。マア、合格ではあるのだが、物足りないのも事実だ。

その上の愚息が勧誘(?)されたというのでNHKの放送受信料を払うつもりになった。それで、金融機関からの自動振込みと併せて所定の用紙に記入して郵送したのである。すると、新しい用紙とともに返送されてきたというのだ、な。

小生はそれを見ていないのだが、カミさんによると、金融機関に回付する自動振り込み申請欄で、支店名を「奥沢口」と書くところを、奥の字を書き損じてしまい、二重線で消し、その上にハッキリと「奥」と書き直したところ、修正印が押されていないという理由で差し戻しになったらしいのだ。

きけば、書き損じたという「奥」の字は、みれば「奥」と読めるという。ただ、正しい字体にはなっていないので、清書の意味をこめて二重線で消して、奥の字を書いたという。

それが金融機関の手続きではねられたのだろうと、そうカミさんは推測しているのだ。

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小生、思わず絶句したのだ、な。

確かに記載事項を修正するときは、申請者本人が修正印を押して、本人が修正したことを証明(になるかどうかは微妙だが)しておく規定になっているのだろう。

しかし、汚く書いた「奥」の字のうえに綺麗に「奥」と書き足した個所が「修正」に該当するかは、愚息にはまったく想定外であったらしい。

というか、その用紙をみた銀行の担当者は、「奥」の字の上にもう一度「奥」の字が書かれているのが分かるわけであるし、支店名を間違って記載したり、書き直したわけではないことは、自明である。

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明らかな事であるにもかかわらず、規定上は修正印がいるからという理由で、わざわざコストと時間をかけて、返送し、もう一度提出してもらう。

「丁寧」といえば、通りはよいが、これでは「バカ丁寧」だと指摘されても不思議ではない。不効率であり、無駄である。担当者に何の裁量も与えられていないのだろうが、そんな機械的作業を人間にさせているのも人出不足の時代に大変な不効率である。

この間、何の価値も生産されていない。丁寧に物事を進めれば間違いは予防できる。しかし、間違いがないことが明らかな状況で、なおかつ間違いをなくそうとするのは無駄である。銀行の一人相撲につきあわされたようである。

こんな非効率を残しているから日本の金融機関は今一つ成長せず、株価もさえないままなのだ。そう感じた今日のことであった。

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