2013年10月25日金曜日

足下の景気を確認ー先行指数

昨年はもう少し立った頃から突然に株価が上昇し始めた。まず自民党の総裁選で安倍氏が勝ち、次に消費税率引き上げと引き換えに当時の野田首相が約束したとおりに解散しようと言い出し、年内に総選挙があることになり、予想もしなかったアベノミクスが実行に移される。そんな期待先行のミニバブルが日本で発生したかと思ったのだが、世界的にも株価が上昇していた。これも米中をはじめ主要国(=大国)で選挙が終わり、なにか新しいことが実行されるかもしれないという、そんな期待で騰がっているのだろうと本ブログに投稿した記憶がある。

最近は…どうも株価があがりそうで上がらないのだ、な。期待で上がってきた分、実体面の裏付けがないとなれば、株価が下がるペースもはやかろう。どうも心配である。それで、まずはOECDのCLI(=先行指数、Composite Leading Indicator)をみてみた。


Source: OECD DataLab - StatExtracts

上の図を見ると、日本、US、ユーロエリア、G7、Chinaなど、回復ペースに違いはあるものの全体的に経済活動は上向きであり、明らかに景気後退に陥っているのはブラジルと韓国のみである。グラフが見づらくなるので多数の国を省略しているが、足下の経済動向に心配するべき停滞はうかがわれない。

本日の道新に『コメ減反、見直し着手—所得補償減額を検討』と見出しが出ている。3面の解説には「農政、転換の可能性」が指摘されている。減反政策とは、コメの販売価格を高めに維持するための数量戦略である。この戦略は、日本の国内市場を国内農家が独占していることによって成立する。どうやらTPP発効後に備えて政府は下準備をはじめたようでもある。先日も日本の家庭の平均収入はドル換算で韓国の2倍に達しているにもかかわらず、毎日の食費に割かざるをえない比率、つまりエンゲル係数は逆に韓国の方が低く、日本の家庭は収入の割にゆとりがないという点を書いた。本筋に沿って議論が進んでいるように思う。経済は段々と良くなって行くとみる。

それにしても、保有しているアメリカ株と日本株。いつの間にかアメリカ株の時価評価額が日本株を逆転してしまい、半分以上はアメリカ株でもつようになった。とにかくアメリカ企業は成長しつつあり、日本企業は現状維持。この勢いの差が株価にも現れる。日本の制度が悪いのか、日本企業の活力が乏しいのか、何が問題なのか指摘するのも難しいが、これではまずい。

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