この報道と同じタイミングで内閣府の浜田参与がコメの自由化を容認するべきだと講演をしたかと思えば、農林水産省が無関税枠拡大の検討に入ったなど、いろいろな情報が出てきている。
確かに毎日新聞は世論調査の結果として、関税の一部撤廃は理解が得られつつあると報道している。 TPP交渉に参加すること自体に反発する空気が支配的だった数カ月前に比べると何という変化だろうか。
毎日新聞が9、10両日に行った全国世論調査で、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉を巡り、これまで「聖域」としてきた農産物などの分野の関税撤廃について尋ねたところ、「一部でなくすのはやむを得ない」との回答が75%に上った。自民党支持層でも80%が「やむを得ない」としており、関税を一部撤廃することについては理解が広がりつつある。【高山祐】 (注)11月12日
まあ交渉だから、こちらがどこまで譲歩する覚悟があるのか、相手に悟られるのは下の下策である。日本側がどれほど複雑巧緻な作戦を検討しても当方の自由である。とはいえ、複雑巧緻は作戦案は、往々にして「絵にかいた餅」、「机上の空論」であって、要するに関係者の自己満足であるのが常である。論理を戦わせるべき交渉に単なる「いやだ」という感情的反発を持ち込んでは、もはや交渉ではなく、「いまのやり方の主張と防衛」に過ぎない。交渉はそこで実質終わりである。
官僚の自己満足を形成するのが外交交渉ではあるまい。
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そもそも大きな利益が日本全体にあるのかないのか、その説明がしにくいのであれば、それほどの利益はないということなのだ。大きな利益があるのであれば、誰にでもわかる説明の仕方がなければならない。
政府は、TPPを結ぶことが日本にとって大きな利益になると考えているのか、そうでないのか?そろそろ国民多数の利益と一部国民の損失について語り始めるべき時だろう。
日本の家庭のエンゲル係数(=食費の割合)は、一人当たりGDPが日本の半分しかない韓国に比べてもなお高い。それだけ日本人には暮らしのゆとりがないと言える。この事実はそれだけでも日本の政治問題になってしかるべきであるー 不思議にもなったためしがないが。これが小生の立場だ。
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