2015年1月7日水曜日

石油価格の低下ショックとは?

石油価格の急低下が下げ止まらず、米株価が低落し、日本株も急落している。不安定な欧州株は込み入っていて、石油価格の低下に加えて、ギリシア不安の再燃もマイナス要因の一つである。ドイツがギリシアのEU圏脱退を容認しそうだというので、いよいよ現実味を帯びてきたのだろう。それに足元の<逆石油ショック>が、ロシアの財政危機、ルーブル危機を招く。こちらのリスクが本当はもっと怖いのかもしれない。1997年から98年にかけての国際金融不安を思い出して怯えない人はいないはずだ。


Source: FRB St. Louis, FRED, WTI

つい先頃までは石油価格上昇に世界が冷や汗を流したものだが、下がってもまた肝を冷やすとはこれいかに、だ。『変わらないのが一番なんですよね』という巷の声が聞こえてくるようだが、日本にとってだけは今冬の石油低価格は「天佑」ではなかったのだろうか。株は下がっていますがね…、多くの人は安堵してハッピーのはずだ。


Source: Bloomberg, Thomson Reuters CRB Commodity Index

いずれにせよ、石油価格の低落は世界市場で商品市況全般の下落を誘い、いまはモノが安く、カネが高い状況になっている。モノからカネへ富をシフトさせつつあるので、債券価格は上昇し、金利は下がる。もし日本でデフレ脱却が成功するなら、期待インフレ率が上昇していなければならない。名目金利は上がっていなければならない。しかし、長期金利は下がっている。石油価格の低下によってデフレはなお持続するとの見通しが形成されつつあるからだ。この分では、今春の賃金上昇率もそれほどのプラスにはならないのではなかろうか。

今春の賃金上昇がそれほどのプラスにならなければ、延期された消費税率引き上げが再び政治リスクになってくるだろう。軽減税率対象品目の絞り込みが難しくなるのは確実だ。

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天気予報では、今日、明日と猛吹雪とのことだ。前回の爆弾低気圧は空振りであったが、今度は的中したようだ。昼前から国道は時にホワイトアウトの状態で極めて危険だ。いま現時点、小生は自宅の窓から外をみているが、海を眺められる高台にあるため風がまともに吹き付けてくる。なので外は真っ白である。今晩は同僚と共同開講しているエコノミクスの授業が隣町であるのだが、もしも夜になって交通が途絶すると帰れなくなる。今日は同僚が担当していることでもあり、小生は参加困難だと言いおいたところだ。

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