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昨日は入試センター試験の試験監督にあたっていた。勤務先に到着した朝方はそれほどでもなかったが、地理・公民の試験が終わって外に出てみると、そこは吹雪一色の世界になっていて驚いた。持っていた何もかも雪まみれである。次の国語が終わって外に出ると、降り積もる雪の余りの速さに職員達が雪かきをしながら獣道のような通路をつくっている。『これ、帰れるかなあ…』、一緒に監督をしていた人も心配そうだ。ただの吹雪ではない予感がする。やがて英語(筆記試験)の時間が来ると、いつの間にか除雪車が入っている。『呼んだんですね、何しろ国の行事だからねえ、センター試験は』。最後のリスニングが終わって、小生はいささか疲労を覚え、研究室に戻ることなく受験者達に混じって歩いて国道まで出ることにした。強風にあおられると降り積もった雪が舞い飛ぶ地吹雪である。歩いているうちに、最近クセのように時折襲ってくる右下腹部を刺すような痛みを感じる。そういえば、午後になってから試験室まで歩いていく時に何やら変調気味になってはいた。一過性なので、心配はないと思っていたが、冷えた雪道を歩き続けたのが悪かったのか、疝痛はだんだんと頻繁になり、痛みも酷くなってきた。仕方がないので、とあるドラッグストアに入り、カミさんに電話をする。『雪で車を出せないと思ってさあ、歩いてバス停まで行こうとしたんだけど、腹が痛くなっていま休んでるんだ』と伝えると、『無理してでも行くから』と言って迎えにきてもらうことになった…。家族がいなければ歩く人のない道の端で遭難していたかも。そう思ったりもした。
カミさん: 朝から吹雪がどんどん酷くなってきたから気になってたんだよ。家の近くに来ると、軽自動車が雪山につっこんで放置されており、道が塞がっている。逆方向から一回りする必要がある。普通ではない。JRも止まっているだろう・・・。これが昨晩の夜7時頃である。
小生: 今日(17日)の夜から明日にかけてだったろ、猛吹雪は?
カミさん: 予定より早くなったみたいだね、でも今日は天気予報が放送されないのよ。
小生: なんで?
カミさん: あれよ…阪神大震災から20年というので、一日中ずっとそればっかりなの。吹雪どうなってるのかなあって、しょっちゅうTVを見たんだけど、やらないのよ。土曜日だしねえ。
小生: 20年も前の阪神大震災のことを北海道で流す必要あるのかねえ、まったく。大体、阪神大震災なんてニュースでもないのにな。
カミさん: 忘れないようにしましょうってことでしょ。
小生: 『忘れるな、阪神大震災の教訓、20年』って、特別番組をやれば十分だよ。
カミさん: 天皇陛下もいったみたいよ。
小生: 天皇陛下が行ったのがニュースだってことかな?
カミさん: それだけ皆に見てほしかったんじゃないの。
小生: 一番知りたい情報を流すのがTVだと思うがねえ、20年も前の大震災を思い出すより、いまこの時の吹雪と交通状況の方が大事だろが。
まこと、思い出も大切だろうが、吹雪の中で家族が大丈夫かというとき、まずは現在の情報を速やかに提供することがマスメディアの責務だと思う。これが<正論>ではないかなあ・・・と思うのだね。
帰ってきてからカミさんはS市内の星置近辺で非正規業務をしている長男が無事帰れたかどうか、携帯で電話をした。すると『僕のあとの電車から見合わせになったみたい』ということだった。昼前のJRは平常だったが、午後になってから1時間遅れ、2時間遅れと遅れが拡大し、このままでは運転見合わせになるだろうと想像していたというのだ。まあ、帰れてよかった、よかったというところだ。
先日に引き続き、また再びの教訓。
中央官庁が取り仕切っている天気情報は地元の住民の役には立たない。責任主体を変えるべきである。突然の天候急変が増えている。地域には地域特有の自然環境がある。防災システム、避難システムの整備に全国統一化の視点、統一化された計画はマイナス面が大きい。国は復興支援に財政面からかかわるだけでよい。
平等と疎漏とは異なる。政策は形式より実質を重視しなければならない。
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