2015年12月15日火曜日

メモ ‐ チャイナリスク

『テロより恐いチャイナリスク』。

これは読みますねえ…。うまいタイトルだ。

コマツの建機は中国ビジネスの成功の代名詞だったが……〔PHOTO〕gettyimages
開発ラッシュに沸き、都市のあちらこちらで建機が砂埃を巻き上げていた光景は、ほんの少し前まで各地で見られた。が、経済が失速を始めると、開発案件は軒並みストップ。中国ビジネスで「わが世の春」を謳歌した大手企業を一転、奈落の底へ突き落としている。
コマツに次ぐ国内2位の建機メーカーの日立建機も惨状は同じ。同社の主力商品である油圧ショベルの中国における需要データを示す資料によれば、直近の10月は前年同月比で▲43%と目も当てられない。さらに見ると、9月は▲49%、8月は▲51%、7月は▲52%、6月は▲54%と、コマツ同様に「需要半減ショック」に襲われていることがわかる。

(出所)現代ビジネス「経済の死角」、2015年12月14日、以下の引用部分も同じ。

建設機械、工作機械の需要半減ショックといえば、2008年9月に勃発したリーマン危機後の景気崩壊と同じスピードである。

同じことが、現在中国で進行中なのか?

「今年度は、自動車各社の中国工場稼働率が5割まで落ちると言われるほどです。現代自動車はあまりの不振で、販売台数の開示を一時見送っていた。日本勢は過剰な値引き競争には参戦していませんが、利幅は薄くなってきた。
トヨタはこの半期で中国での販売数を伸ばしたのに、中国分の利益は100億円弱の減益。会社全体で慎重な業績見通しを立てているのも、チャイナリスクを意識すれば慎重にならざるを得ないからです」
自動車市場も同様。

すべり落ちる中国経済が、日本企業を、日本経済をむしばむ。それはいま始まったばかりで、本格化するのはまさにこれから。2016年はテロよりチャイナリスクの猛威が日本全体を巻き込んでいくことになる。
クレディ・スイス証券チーフエコノミストの白川浩道氏が言う。
「中国経済が悪化する流れは当面変わりません。実は中国の不動産バブルはすでに崩壊している。が、それを表面化させないために、不動産投資をしている大企業などに金融機関が追い貸しをしているのが実態です。
これは時間稼ぎをしているだけでいずれ限界を迎える。そのとき、不動産投資をしている大企業が破綻する可能性もあり、そのショックは日本の輸出企業を中心に波及し、日本の株価を引き下げる」
日本総研副理事長の湯元健治氏も言う。
「中国の株式市場はいま落ち着きを見せていますが、安心はできません。中国企業の債務残高は莫大で、GDPに占める割合が約157%。日本企業が'80年代のバブル時にGDP比で約132%の債務を抱えていたことを思えば、これが不良債権化したときのインパクトははかりしれない。

まあ、日本と違って不良債権穴埋めに公的資金を入れることくらいは共産党政権にとっては造作もないことであろうし、いざとなれば土地公有制が建前のところを例外的な土地払い下げを行えば、国有企業も救われるし、民間企業も債務超過に陥らずに済むというものだ ― 中国の国家資産が減少するが全体に比べれば微々たるものであろう。

それ故、中国バブルが崩壊しても(いや、もやはしつつあるという判断であるが)、共産党政権に打てる手はあると小生はみているのだ、な。

ただ、まあ、対中投資を盛んに行ってきた欧州。思わぬ(いや米国発のサブプライムについで二度目の)不覚になって、またもや富を失う事態になるかもしれない。

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