2024年9月16日月曜日

覚え書き: これも日米株価の相互依存性?先行きは?

東京の日経平均株価とニューヨークのダウジョーンズ平均が、相互に依存して変動しているというのは、よく指摘されている「事実?」である。

確かに大規模投資機関はグローバルレベルで資産管理をしているので、東京市場とNY市場との相互依存性というのはあって当然だ。統計的な<因果関係?>という観点もありうる。

ただ、東京の円ベース株価とNYのドルベース株価をそのまま比べても、相互依存関係はいま一つ明瞭でない。



上図は、2019年9月13日以降2024年直近時点までの日米株価を比較したものだ。赤線が日経平均、青線がダウジョーンズ平均である。比較に便利なように開始日株価を100とした指数にしている。だから、最終日に高い方の株価がデータ期間を通して良好なパフォーマンスを示したという結論になる。つまり、この時期、日本の株価の方が良かった形になっている。

素の株価系列を比べると、「8月5日の大暴落」までは日本の株価の高進ぶりが目立つ。が、日米株価の相関という側面をみると、「両方、上がって来たネ」という以上には、それほど明瞭な相互依存性が日米両国の株価にあるわけではない。そんな印象もある。

しかし、日経平均株価をドルベースに換算してから比べると




上図のように、確かに日米株価には相互依存関係がありそうだという、そんな図柄になる。

それと、コロナ・ショックからの急回復とピークアウトでは日経平均に明らかな先行性が見てとれる。

この先行性は、どうやらその後も認められるようであって、ロシア=ウクライナ戦争勃発と経済制裁、インフレ抑止のための金利引き上げなどから日米とも株価は低落したのだが、その後の回復へのタイミングをみても、東京市場はニューヨーク市場より1年程度は先行しているように窺える ― 2022年から23年までのアメリカ株価をどう見るかで「見ようによっては」だが、この辺り変動率に定常化してからレジームスイッチングVARモデルを適用すると面白いかもしれない。面倒なので自分ではやるつもりはないが。

だとすれば、いま足元で東京市場は停滞しており、8月5日には大暴落が発生した。ニューヨーク市場はまだ順風のようだが、これまでの東京市場との相互関連を思うと、必ずしもアメリカ株価は楽観できない、と。そんな見方もあるかもしれない。


備考:

データはセントルイス連銀のFREDからダウンロードしてから、Rでそれぞれのcsvファイルを読み込み、描画した。が、方法としては個別にtsibble型に変換してから日米株価、為替レートの3系列を日付でleft_joinし、データをpivot_longer、そのままautoplotという、グラフ作成としてはいま流行のやり方で描画した。図は正しいはずだが、以前のマニュアル式とは違って、逐一チェックしているわけではない。

以上、メモしておきたい。

0 件のコメント: