2024年9月24日火曜日

ホンノ一言: リベラル勢力による政権奪取の切り札はあるのか?

立憲民主党の新代表に野田佳彦氏が選出された。野田氏は千葉・船橋を地盤とする政治家であるせいか、極めて個人的な理由で小生は以前から勝手に野田シンパを自認している。

ただ、以前から何度か投稿してきたように、自民党が二つに分裂することが日本政治にとってはベストであると今も思っているのと同様、立憲民主党も二つに分裂した方が良いと観ているのだ。

自民党が保守だとすれば、旧・民主党はリベラルであるとする枠組みを、最優先で構築するべきであった。しかるに、2009年の政権奪取以降、当時の民主党は伝統的な自民党支持基盤、例えば経団連や日本医師会などを奪取しようとする動きを明確にした。要するに、自民党にとって変わりたいだけ。それが民主党の志であったのか、と。ずいぶん失望したものであった。

それをどう反省したのか、期待したいところだ。

ただ、あれだネエ・・・リベラル勢力形成という点でも日本は周回遅れである。これは比較的最近になって投稿したのだが、病根は「日本共産党」という政党の存在である。

こんな下りを以前に書いたことがある。

立憲民主党の路線闘争、というより迷走は結構長引くのではないかと予想する。

……

立憲民主党内の紛糾と共産党との共闘路線再検討の流れは、日本共産党という政党にとっては《最後のチャンス》になるだろう。

もし日本共産党が党創設以来の《綱領》を見直し、21世紀の現代的状況に即応した「社会民主主義政党」として党自身を再構築するという方針を明らかにし、党名もまた新たな理念にふさわしい新しい名称に改名すると公表すれば、その強固な組織力が強みとなり、日本のリベラル勢力が結集するための核になるのは間違いないところだ。

フランス政治は中道のマクロン大統領の下で左翼勢力が議会の多数を占めたにも関わらず、大統領は保守勢力から首相を任命した。これがどう転ぶか分からないが、議会で勢力を築いている以上、フランスの中道左派は強い影響力を行使できる理屈だ。

別の投稿ではこんなことも書いている。もう10年以上も前になった。

 ま、昔とは違ってプロレタリアートが国際的に団結するような経済環境はもはや存在しない。ミラノヴィッチ「不平等について」で強調されているように、不平等は階級によるものではなく、生まれた国によるものがずっと大きい。日本国内の「人民」は、世界においては恵まれたグループに該当する。だから、共産党といっても、日本一国限りの人民の解放を目指すしかないことは、自明である。話しは、所詮「日本ではどうなるのか」という、狭い限られたものなのだ。

日本共産党の歴史的意義は客観的な意味においては既に消え去った、と。そう考えざるを得ないではないか。

大体、ソ連がロシアになって社会主義国家はもうない。ソ連を見習ったはずの中国共産党政権も、今では不動産価格の暴落から若者の失業率が(公式統計では未満だが実際には)20パーセントを上回るような経済運営を行っている。バブルの崩壊とか、失業率20%超とか、社会主義経済、共産主義国家では絶対あるはずがありません。つまり中国も社会主義、共産主義はとっくに放棄している。

ロマンチックに共産主義の未来を信奉しているのは世界で日本共産党くらいでしょう。

日本政治において政権交代があり、リベラル政権がある程度の期間にわたって安定的に政権運営できるとすれば、その契機は日本共産党の自発的かつ創造的なリニューアルであろう。

現状のままでは、本来ならリベラル勢力に投じられる票が実効のない共産党に流れ、いたずらに死票を増やし、旧態依然とした自民党政治の延命をもたらすだけである。

だけではなく、小生が望む中道右派勢力に極右勢力が糊のように固着して与党を形成し、大声を発する勢力となり、、そのために中道左派が小規模野党に流れ、ますます自民党が右傾化する、延命は延命でも最悪のパターンを招いている。

将棋の終盤では、飛車を切って相手の玉を詰めるという決断を迫られることもある。

自民党の分裂と同じ程度にこれを熱望しているのだ。 

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