ドイツのIFO研究所が景気動向指数(IFO Business Climate Indicator)を公表した。これによるとドイツ経済の拡大基調は変化なし。特に建設投資が非常に旺盛である。
グローバルにみると、どこも一様にどんどん拡大を辿っているわけではない。とはいえ、概要をみると、やはり昨年夏から急落した景況感は既に底打ちして回復しつつある。そういう判断である。
同じことをOECDの景気動向指数(Composite Leading Indicator)でみると、足もとの景気判断は共通するようである。折れ線グラフの高さの平均線をとおる座標軸には高低差があるが、これは数値化する時の方式によるもので、実質的な意味はない。グラフの示す上下動は概ねパラレルである ― ほぼ同じ経済時系列から構成されている指数だろうから、まあ、当たり前ではあるが。
OECDの指数を見てもグローバル景気は、昨年夏以来の低下局面は、既に底打ちし、今後は回復へ向かう段階にあることを示唆している。
但し、ユーロ圏の経済は既に底打ちしているのかどうか、まだ分からない状況だ。その中で、ドイツ経済は<絶好調>、というほど弱みがないわけではないが、やはりこの背景として<ユーロ安>の恩恵をドイツが(ほとんど)単独で享受している。この点を挙げてもよいのではないか。だとすれば、ドイツ経済の現在の好調は破綻した南欧地域のお陰であるとも言えるわけであり、低生産性地域に対する経常的かつ資本的な資金移転をもっと本気で実行しても、というかそれこそが経済政策の本筋ではないか。そんな方向を予感させるデータである。
もちろんドイツのみについて書いているわけではない。PIGS諸国に対して強い姿勢であると見られる、オランダ、北欧諸国など「欧州の勝ち組」と言われている地域全体のとるべき姿勢が今日の話題である。
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