2012年6月13日水曜日

政治主導よりも立法府と割り切ることが国会復権につながる

楽天証券経済研究所の山崎元氏が適切な意見を述べている。最後の下りだけを以下に引用しておこう。
ともあれ、独自のスタッフを持たずに官庁に乗り込むような「政治主導」など、信用してはならない。加えて、選挙前に具体的な法案が細部まで決まっていて、「多数を得た場合には、この法案を通します」という公約でなければ、期待するだけ無駄だという現実に、国民はそろそろ気づくべきだろう。 
結局のところ、時間の空費に過ぎなかった今回の政権交代の貴重な教訓だ。(出所: ダイヤモンド・オンライン「消費税率引き上げのための修正協議の奇妙な展開」)
 政党が法案を自前で準備して、マニフェストに記述した上で公約し、選挙で勝利した場合、官僚集団にその法案の可決を阻止する大義名分は何もない。法案の修正も、一字一句、全くできないだろう。その法案が「▲▲基本法」と名のつくものであれば、既存の関連法や政令・府省令が新基本法と齟齬を生じないように細かな法改正作業に取り組むことを余儀なくされるだろう。その種の細部の法規を整えることこそ、本来、民主主義社会における職業公務員が果たすべき役割であるとも考えられる。職業公務員が非協力的な場合であっても特定分野の或る事柄について、既存の関連法全体に代わって施行される法であることを、条文として記述することは技術的にも可能だ。そもそも日本国憲法は大日本帝国憲法の改正憲法として粛々として公布されたものなのだ。

上に述べられたことが現実になれば、それこそ霞が関官僚集団にとっては文字通りの悪夢の到来になるだろう。対抗手段は裁判所による違憲立法審査しかない。しかし、国民が選挙で選んだ政党があらかじめ国民に公約した法律に対して、裁判所が違憲判決を出すとすれば、その場合にこそ初めて日本国憲法改正の気運が醸し出されることになるだろう。これが本当の「政治の季節」と言えるものだ。最近のつまらない政局とはレベルが違う。

0 件のコメント: