ただ時系列を図にして見ると、これからの動きをどう見るか、人によって分かれるだろう。
(出所)内閣府「景気動向指数 ‐ 平成24年7月分(速報)‐」、pp.4
先行指数はリーマン危機による景気の急激な後退をかなり前から予測していたことが分かるが、2009年に底打ちして以降は一致系列とそれほどに大きな動きの違いは認められない。足もとでも、先行系列、一致系列、どちらをみても足取りは概ね同様だ。
ただ今回の回復ではノイズが大きいようだ。内閣府では、毎月の指数計算において最近では「外れ値」を除外するステップを入れるようになったと聞いているが、それにしてもバラツキが大きい。統計数字だけのことか、実態を反映しているのか・・・昨年の東日本大震災以前から見られるので震災をきっかけにした季節調整の乱れとも思えない。変だねえ・・・
(出所)上と同じ
一致指数は先行指数よりも足もとの動きが少し弱めである。分析にかけたわけではないが、今後半年程度の予測区間は、上向き、下向きとも確率50%。そんな風に思わせられる面白い形だ。無数のランダム・ショックの集積は連続的変化とウィーナー過程の世界である。ランダム・イベントと人為的ミスが支配的になると不連続で離散的な確率過程を混入させる。不安や楽観が生まれやすくなる。理性的でいるのが難しくなる。
上のグラフ。その図柄だけをみると、何だか欧州債務危機とEUの政治対応、大震災・原発事故に対する日本政府の政治対応、中国の政治端境期、アメリカの政治端境期などなど、ひょっとすると統計数字の出方なのかもしれないが、これらは最近の<経済実態>を、案外、すなおに反映した形になっているのじゃないか。そんな印象も与えるグラフである。こわい。
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