2013年4月11日木曜日

過剰な幸福、過剰な豊かさはありうるのか?

古くから同じような意味合いの格言がある。
過ぎたるは及ばざるがごとし
歓楽極まりて、哀情多し
美人はかえって幸せにはなりにくいとも言われる。それは、当然、いい人も寄ってくるだろうが、ロクでもない男が押しの一手で来るからだ。カネを持っていると、更に人間幸福にはなりにくいと言われる。カネ自体は、本来、人を助けるものだが、そのカネを目当てに多種多様な人が寄ってきて、友情の仮面をかぶったビジネスの標的になるからだ。

独紙に載った以下のコラム記事も同じような内容である。

Psychologen wie Shighehiro Oshi, Ed Diener und Richard Lucas hatten schon vor einiger Zeit aufgeschrieben: Die glücklichsten Leute arbeiten nicht viel und erzielen kein hohes Einkommen. Sondern sie haben mehr Kontakte zu engen Freunden und Familienmitgliedern, außerdem engagieren sie sich eher ehrenamtlich. Und schon kommt man zur Frage: Sind diese Leute so glücklich, weil sie so wenig arbeiten? Oder arbeiten sie so wenig, weil sie so glücklich sind? 
Am Institut zur Zukunft der Arbeit hat die Doktorandin Annabelle Krause jetzt untersucht, ob glückliche Menschen kürzer arbeitslos sind. Bekannt ist ja: Wer Arbeit hat, ist mit seinem Leben meist deutlich zufriedener als ein Arbeitsloser. Krause hat die Frage umgedreht: Finden glückliche Menschen leichter wieder Arbeit? Und das gilt nicht immer.
… …
Und sie folgert: “Das Glück zu maximieren, ist nicht unbedingt das richtige Ziel für künftige Politiker. Es scheint besser zu sein, das Glück zu optimieren.”
Source: F.A.Z.15.02.2013, 08:57 Uhr 
 非常に幸福であると感じている人は、親しい人や家族と接することを望み、何か行動するにしてもボランティア活動に参加するような選択をする。働いて高い収入を得ようという動機は弱まる傾向がある。一方、仕事をして報酬を得ることがその人の幸福を大きく左右することはよく知られている。失業期間が長期化することは、人々の幸福を阻害する。それが大問題なのだ。ところが、満ち足りた人は求職活動に不熱心になる。

上の引用の最後がコラム記事の結論である。
幸福を最大化する政策が政策目標として常に正しいとは言えない。人々の幸福を最適な形で実現することが大事だ。
カネで測った生活水準は「一人当たり実質GDP」でかなり正確に測定できるものだ。もし主観的幸福感という次元で、過ぎたるは及ばざるが如し、まあ簡単に言えば「幸せ過剰」というものがあるのだとしたら、実質GDPが示す生活水準にも「過剰な豊かさ」があると考える方がロジカルである。 成長至上主義を批判する立場にも、科学的根拠があるのかもしれない。

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