この何日かは以下のようなコメントをつけた。いずれもGDP統計に関連してのことだ。
昨日もコメントしたが、ちょっと吃驚したのは『市場の予想を大きく上回る数字だった、云々』という報道が多かったこと。
最近はどんな方法で四半期別QEの事前予測を計算しているのだろう。小生は一世代前に属するので、ボックス・ジェンキンズ流のARIMAモデルで予測値を計算した。更に、古い世代なら段階別接近法やマクロ計量モデルを使う所だろう。いまはどんな方法が盛んなのだろう?
素直に全データを使ってARIMAモデルを作ってGDPのⅠ期先予測を計算すると、この1~3月期は事前予測値とほぼ一致する。「大きく上回る」などという数字ではない。
ただ一つ計算でウィークポイントがあるとすれば、今回公表されたデータから最後の1~3月期のみを外して一期先予測を計算した点である。厳密には、公表前のデータ、つまり昨年10~12月期の二次速報値を使って、一期先の1~3月期を予測するべきだ ― 結果はほとんど変わらないと思われるが。
次の4~6月期は、公表前に利用可能なデータを使って、文字通りの「事前予測」を計算することにしよう。(5月21日)
「昨日もコメントしたが」というのは、最初にコメントした文章に加筆しようと思ったからだ。まだなじんでいないので、古い文章を上書きしてしまったらしい。
本日は日銀によるGDP推計に関連した以下のコメントをした。
GDP統計も「確報」になれば供給側統計に基づくコモディティフロー推計値がコントロールトータルになるので、家計調査はGDPの基礎データではなくなる。関係があるとすれば、暦年データを四半期分割した四半期系列だ。つまり確報段階でも四半期パターンには家計調査の影響があり、したがって季節調整系列の前期比増減率を左右することになる。
QE(速報値)の季調済み計数の動きが時に不自然になるのは、この推計プロシージャに由来する。
消費推計の基礎データとして「家計調査」を避けたほうが良いという点は、ずっと昔から言われていたことで、日銀による独自の消費推計は信頼性を高くするものだと思う。
とはいえ、GDPも時系列データであるので遡及して10数年程度はあったほうがよい。特に季節調整の計算にはその程度の期間は要る。ザクっといえば、2000年以降は時系列として整備するほうがよい。
そうなると、「家計調査」に依存しない計数が望ましいのは確かにそうだが、代わりになる基礎データは一貫して用意されているのだろうか? 継続されているようでも、細かくみると実は連続していないデータは多い。日銀のDPを(ざっと)読んでも、すぐには判明しない(まあ、大丈夫なのだろうが)。
どちらにしても、支出側(人的推計)と供給側(コモ推計)とのマッチングが必要とされないのなら、日銀による一貫した四半期GDP推計(消費推計が論点になる以上は実はGDE推計と言うべきだが)の方が自然な四半期パターンを示すとしても、それは予想できる結果だ。(5月22日)
コメントに対する「いいね」が「Like」になっていたり、「Like」をもらうと通知があったりと、どこかFacebookに似ている所もある。根拠のあるニュースへの反応を主軸にしてソーシャル・ネットワークを形成するのは、"Fake News"やデマ、流言飛語、ネット・バッシングなどの温床となるSNSよりはヒョッとするとマシかもしれない。本名でアカウントを作成する原則、これも良い。
そんな風に思っていて、これから利用頻度が上がっていくかもしれない。
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