2020年6月1日月曜日

一言メモ: 過剰に攻撃的な表現をネットからなくせるか?

本日の表題だが、ウィズ・コロナとゼロ・コロナの間の選択にも似た問題だ。

現実的にとりうるシステムの中で、最良だと思われる方式を選ぶというロジックは、オールマイティの正解など何もない現実の世界では常に当てはまると言うしかない。

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ネットという世界がこの世界に誕生して、意見の表明、文学作品の先行公表、研究成果の先行公表等々、私的個人による表現行為は以前の時代とは隔絶する程に容易になった。これが「技術革新」の成果でなくて他に何だろうかと思う。

非難・中傷を抑止するというその事だけのために、ネット世界における表現の自由を制限することは、余りにもマイナスの副作用が大きい。

ネット上であろうが、現実の実社会であろうが、過剰に攻撃的な非難・中傷など不適切な言動にはキチンと責任をとる。この当たり前の原則を徹底する。それだけで十分である。

ネット上の不適切な言動に対して責任をとる(あるいは、とらせる)方法としては様々あり、今すぐにでも採用可能だろうと小生は思う。

大体、日常的に発生しているトラブルで不効率な裁判などを要求していては被害者は救済されない。たとえば交通事故のように、もっと効率的な処分を行政的に、あるいはビジネス・ルーティン的に実施、定着させることが望まれる。

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事前にネット・マナーを厳格に守らせる<事前指導型>ではなく、<ネット事故>が発生した際に加害者に対して<事後的処罰>を講じるのが効率的である。

たとえば、事件が発生した直後に過渡に攻撃的な投稿を検出するのは、スパムメールの判別にも似た作業であるので、AI(人工知能)を活用すれば瞬時に完了する。攻撃的なコメントを寄せたアカウントは一定期間(1か月、3か月、1年間など)停止する。これ位のことは全て自動的に一瞬のうちに出来ることだ。

幾人かの悪質ユーザーが一人を攻撃する場合は、その人が悪質なユーザーコメントをブロックすればよい。しかし、多数のユーザーから攻撃される場合は個人が対応するのは不可能だ。その場合は、プロバイダに攻撃の対象になっている事実をただレポートすればよい。そうすれば上に述べたプロセスが自動的にスタートする。これだけで相当の抑止効果が期待できる。

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複数回、そのような処分をうける悪質ユーザーも多数いるだろう。

余りにも酷い暴力的かつ脅迫的表現を一定回数を超えて行った悪質ユーザーに対しては全てのSNSでアカウント開設権を停止するといった対応をとることも(SNS企業が連携する必要はあるが)出来るかもしれない。

SNSのアカウントには携帯番号ないしメールアドレスが紐づけされている。その携帯番号あるいはメールアドレスで開設された全てのSNSアカウントを停止する措置は、交通事故でいえば「免許取消・何年間かの資格喪失」処分に相当するであろう。もちろん、これすらも決定的な処分にならないのは分かっているが、それでもこんな処分があれば、多くのユーザーは文章表現に注意するようになるだろう。

事後的処罰を基本とすれば、今でも技術的に出来ることは多々あるはずだ。

ただ、技術的に出来ることと、政治的に出来ることは全然異なる。

つまりは、ネット上のトラブル防止は技術の問題ではなく、多くは政治の問題、結局は政治家のヤル気の問題であると言えるだろう。

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