2021年1月15日金曜日

ホンノ一言: 対コロナ持久戦の見通しと政変の予感

 新型コロナ感染対策を「戦い」と呼ぶワイドショーが多いが、確かにアピールする言葉だ。

この「戦い」は、まず確実に持久戦になる。速戦即決で短期のうちに結果が出るという具合にはいかない。そう確信している。

世界の感染拡大をみれば明々白々である。日本だけで必死の思いをして感染ゼロに(運よく)抑え込んでもほとんど意味はない。日本は2018年現在で食料自給率37パーセントである。エネルギーも然り。一次産品また然りだ。文字どおり他国との貿易取引で食っている、(不十分さは多々あるものの)開放戦略で成功してきた国なのだ。いつまでも人の往来を絶つことは国家的な自殺に等しい。

コロナが蔓延している世界で生活を続けながら、長い時間を耐え抜く体制をつくることが、いま日本社会に求められている課題である。

『いつまで頑張ればいいんでしょうか?』などと言える状況ではない。ささやかな国民のこの困惑にも、守備の重要性を失念して攻撃一辺倒の政策を展開してきた独善的な政府の失敗が表れている。1930年代以降の日本の軍部の視野の狭さと何と似ていることだろう。防御を省略して徹底的に運動性を追求してできたゼロ戦も、強く、美しくあれた時期はやがて過ぎ去った。一球入魂の勝負ではなく、何度も繰り返しつつ、感染症と対敵できる泥臭く持続的な強さがいま求められている。

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100年前のスペイン風邪とは違って、今回はワクチン開発がスピーディに進められた。ワクチンという援軍が到着するのを、政府は一日千秋の思いで待っているに違いない。

これを「他力本願」と言わずして何といえばいいのだろうか?

が、まあイイとしよう。

しかし、敢えて予想しておきたい。日本政府はワクチン接種体制造りでも、どこかでエラー、凡ミス、目詰まりを連発するような気がしている。

感染対策で数々の凡ミスを繰り返してきた政府が、ワクチン接種だけは迅速に、ミスを犯すことなく、間違いなく推進できるとは、どうにも思われないのだ。もし嬉しい誤算になればこれほど幸せなことはない。

ここ北海道の札幌市だけに限っても、ワクチン接種が住民の5割程度(だったか高齢者だけであったか)に達するのは、どう急いでも今年の秋、おそらくは年内ギリギリだろうと医学部の教授がTV画面で予想している。看護師がワクチン接種業務に従事してもよいという判断があれば状況は少し改善されようが、今回のワクチンは副反応が心配され、接種をうける側にアレルギーがあるかどうかなど接種前後で問診が行われる可能性もある。その場に医師が要るということになると、ワクチン接種数は遅々として増えないだろう。

ワクチンはそもそも日本ではまだ承認されてもいない。G7では日本だけである。おそらくワクチン入手で後手を踏んだ韓国がワクチン接種スタート時点では日本を大きくリードするだろうと噂されている。

今後の状況だが、諸般の事情を考慮すると、100年前のスペイン風邪と同じで「まずは1年、おそらく2年、長けりゃ3年」の持久戦になると見ておく方が賢明ではないだろうか。それも、実のところこれまではイントロで、2020年から2021年の冬が第1波、2021年から2022年の冬が第2波、2022年から2023年にかけての冬が第3波、という見立てのほうが理に適っているかもしれない。

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終息はようやく2023年の春になってから、という予想も立てておいたほうがよい。小生はそう思ったりしているのだが、菅首相はわずか1月後の緊急事態宣言延長の可能性すら「仮定の上の質問にはお答えできません」という答弁をしている。

これは「戦略的なことは国民には一切話しません」というに等しい。安倍前首相も鈍感であったが、菅現首相もまた驚くべき感性の持ち主だ。やはり「右翼」に位置する政治家である。

3月下旬には内閣支持率が20パーセント台に低下している可能性も見えてきた。

仮に小生が、自民党内の反主流派議員であれば、4月下旬辺りを目途にして自民党を割って出て、中道野党と挙国一致政権を立ち上げるべく旗揚げを企てる。その誘惑に打ち克ちがたい。そんな思いが兆し始めているだろう。

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