2021年1月28日木曜日

一言メモ: マスコミが「法治主義」を理解していない証拠か

 少し以前、「自粛警察」という言葉がTV画面で盛んに話題になっていたのは覚えているが、リアルタイムではあまり批判的には語られていなかった。むしろ街を(法的に禁止されてはいないが)「無頓着に」歩いている若者が「注意」されるのは当たり前のことであると、そんな論調で情報番組は編集されていた感覚が残っている。

今度は「不織布マスク警察」だ。

日本社会の「同調圧力」もこうなってくると行き過ぎである。

小生とカミさんは、買い物に出かけるときは、布製マスクにフィルターを入れて使っている。フィルターはウイルス、PM2.5も防止できる仕様だ。

しかし、外見が布製であるから、「不織布警察」の目にとまれば、警告・叱責をうけるリスクがあるだろう。

日本人は、とにかく杓子定規なのである。外見や外観にこだわる。例えば、学則で定められているよりも1センチ短いスカートをはいてきた女生徒を小一時間も説教したり、保護者に警告の手紙を送ったりと、日本人の神経質振りは世界的にも有名である。中国では日本人を「法匪」(=法律の一言一句に執着し、民衆の便利を顧みない小人物)と呼ぶ向きがあるくらいだ。「厳格」とか「真面目」といえば聞こえはよいが、あまり名誉なことではないと思う。

ま、細部にこだわるからこそ、美術・工芸では傑作を創れるのだろうが、それは才能のある一部の人だ。

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小生は、むしろ「不織布マスク警察」が声をかけてきたときの反撃策を考えているところだ。

そもそも「不織布マスク警察」を自称している人物には、何の権限も資格もない。仮に保健所が付与した「衛生指導員」なる資格があるとしても、具体的事項について一般国民を指導できる「法的権限」がなければ、「〇〇は止めよ」とは言えないのである。言えば人権侵害にあたる。

実のところ「衛生指導員」なる資格もなければ、「衛生指導」という公務もない。定められていないのだ ― 小生自身はそんな資格、公的業務があってもイイのではないかと考え始めているのだが。

であるので、勝手気ままに他人に対して声高に「布製マスクは止めろ、不織布マスクをつけろ」と言い立てて、買い物の邪魔をしたり、人々の目を引いたりしてその店に行くことを遠慮するような羽目になれば、小生の側に実損が生じる。

資格はお持ちですか?

氏名と官職を確認してもイイですか?身分証明書をみせてください。

無資格で強要するなら刑法231条の「侮辱罪」に該当する可能性があるので被害届を出すつもりです。連絡先も教えてください。

そう回答するつもりだ。

マスメディアでもこの種の「無資格指導員」を叩いておいたほうが良いと思われる。が、今回もまた放置している。

こうして日本では、規則や法律には書いていないにも拘わらず、実際には強要や抑圧に該当する行為が野放図に社会に蔓延するのである。

メディアの法的センスは落第である。であるのに、法改正や法的規定について時に熱心に報道するのは笑止の限りだ。


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