国快で審議される政府提出法案に相次いで(単なる誤字・脱字・誤変換を超える)ミスが多発して大問題となっている。こんな報道もある。
政府が提出した法案に相次いでミスが見つかった問題を受け、野党側は政府が法案の再点検を終えて国会に報告するまでは、衆議院のすべての審議に応じない考えを示しました。
(中略)
これまでに出てきた法案のミスは12府省庁にわたり、合わせて19法案、1つの条約です。
(出所)livedoor NEWS, 2021-03-24 14:30配信
(URL)https://news.livedoor.com/article/detail/19904331/
法案等の条文校正作業は担当課の課長補佐レベルの責任である。そこが機能しなくなりつつあるということは、省庁内部で課長以上の管理職が下の実働部隊の作業をグリップできなくなってきている。そんな状況が中央官庁内で相当広がっているのではないかという憶測が出てくる。
上が下をグリップできなくなるとどうなるか?
戦前の例を思い起こす必要もなく、実働部隊による組織的怠業、抗命、意図的改竄、隠蔽等々という行為が蔓延するということである。
その果てに、組織的な権力奪取を敢行する人間集団が出てくるか否かは、最終的には、カリスマ性のある人物が枢要なポジションにつくかどうかで決まることである。
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そんな人物が枢要なポジションにつくかどうかは、多分に偶然によることだ。が、もしそんな人物がいま現実に(どこかに)存在するなら、力をつける絶好な世相になっている。
「政治主導」への幻滅、感染防止・医療政策への幻滅。ポストコロナ時代の経済ヴィジョンを語らない政府に対する落胆。政治家の野放図振りへの義憤。幻滅と落胆、義憤のカクテルだ。
理性を失いがちな悪酔い状態。こんな世情になると、どんな事が起こるか?エネルギーが発散されないまま溜まって時間が経過すればするほど、それだけ将来のある時点でより大規模な激震が予想される。危ない兆候がいま観察されているのだと小生は思う。前兆を見過ごすのはコロナだけで勘弁してほしい。一つの統治機構の終わりが意識されていなければ幸いだ。
戦後日本では「戦前日本の失敗の始まり」として周知の「満州事変」だが、当時のリアルタイムの報道では、選挙で選ばれた「民主的な」な政府ではなく、「暴走」しているはずの関東軍の方を大多数の日本人は支持したのである。やはりその当時、第一次大戦後の政党・陸軍主流派による上層部は中堅以下の実働部隊をしっかりとグリップできなくなってきていたのである。「中国危機」と「世界大恐慌」が盤石に見えた大正デモクラシー以降の政党政治を崩壊させる契機となったのだった。憲法も護憲もどうでもよくなり、当時の日本国民は「国民精神総動員」への道を選んだ。
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