2022年10月24日月曜日

ホンノ一言: 景気後退が見えてきたのは政策的には明るい兆しかも

アメリカ経済は2023年の年明け後から実態面では景気後退入りするとの予想が広まっている。とにかくも、1970年代末期のインフレ心理蔓延を完全に抑え込むのにいかに苦労をしたか、そのための犠牲がいかに大きいものであったか、その記憶がまだ消えていないと見える。

現在時点の《インフレ心理》を「期待インフレ率」と見るなら、その代理指標であるブレークイーブン・インフレ率(=長期固定名目金利-物価連動国債利回り)は既に2パーセント近辺にまで低下している。



これまでの金利引き上げの効果発現まではまだ時間がかかる。一時引き上げを休止しても、上のグラフはやがて2パーセントラインを割り込むだろう。

ところがロイターは以下の報道をしている。

[21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は11月1━2日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%ポイントの追加利上げを実施し、12月会合で利上げペースを緩める可能性性を巡りどのようにシグナルを発するべきかを討議する公算が大きいと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が21日報じた。

 

Source:REUTERS、2022年10月22日2:03 午前

ヤッパリ、米国金利はもっと上がるのかネエ・・・

株価は半年程度の先行性をもつ。景気上昇のピークが見えず、金利が上がり始めれば株価は現実に下がり始める。逆に、景気後退が予見され、金利低下局面が見えて来れば株価は上がり始める。

景気後退が予見されてからアメリカ株価の腰が強まってきているのは(世間の常識とは逆だが)そんな側面もある。

長短金利スプレッドを10年物利回りと3カ月物短期金利との差で見れば、これも既にマイナスになるかどうかという辺りまで下がっている。



Source:上図と同じ

どちらにしても、来年になってまだ金利を上げるようなら「バカじゃないか」という声が増えそうである。





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