カミさんととる朝食時のルーティンの一つは『羽鳥慎一モーニングショー』である。
今日の話題は<債務超過に陥るかもしれない日銀最悪のシナリオ>だった — 文言は正確でないかもしれないが。
民間シンクタンクの経済専門家がゲスト・コメンテーターをしていて、大体のシナリオはその通りであったが、「自動車を運転していて対向車が正面から逆走してくる最悪の事態もありますヨネ」と、そんな話しにもなっていて、まるで《落語》というか、《経済ホラー漫談》に近い語りであった。
まあ、民放が提供する番組だから、それでもよいのだが、
今のタイミングで、なぜ普通の日本国民を脅かすようなこんな話を放送するかなあ?
これが素朴な疑問として残った。ひょっとすると
だから、財政をきちんと正常化しないと持たないンです。日本の破綻を防ぐには今が瀬戸際なンです。放っておくと、「年金4割カット」も悪夢じゃないです。防衛費4割カットも大いにありうる未来予想図です。そしたらどうします。だから、今は我慢して、増税を受け入れるしかない。ギリシアのようになってから泣くよりマシでしょう?分かりますか?
こんな説得をどこか、あるいは誰かから頼まれたのではないか、と。
タイミングよく今日届いたIMFのメールマガジンにはこんな下りがあった。
Finally, high levels of interconnectedness among NBFIs and with traditional banks can also become a crucial amplification channel of financial stress. Last year’s UK pension fund and liability-driven investment strategies episode underscores the perilous interplay of leverage, liquidity risk, and interconnectedness. Concerns about the country’s fiscal outlook led to a sharp rise in UK sovereign bond yields that, in turn, led to large losses in defined-benefit pension fund investments that borrowed against such collateral, causing margin and collateral calls.
英国のトラス前首相が就任後わずか45日で辞任する契機になったのは財政危機に対する「危機感の欠如」にあった。
英国財政への不安から国債保有リスクが意識され利回りが急上昇(=国債価格が暴落)、その国債を担保にして借り入れで資金を調達していた年金ファンドは証拠金の積み増しを求められたり、やむを得ず国債売却に迫られて、国債市場は崩塊、ノンバンク金融機関までが経営危機に陥り、金融不安は衝撃波のように拡大していった。
確かに今日のモーニングショーは<ホラー番組>であったが、2022年10月というホンノ少し以前に英国を舞台にして「経済ホラー劇」が地で演じられたことを思い出すと、単なる「経済放談」とばかりは言えない。
リアルな予想として念頭に置くべきだ。そう感じた今朝で御座いました — とは申しましても、カミさんは、大丈夫だよ、その時はその時だヨと、呑気に構えております。大半の視聴者はそんな塩梅なのでございましょう。もう民主主義の限界と思うしか御座いませぬ。
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