元ジャニーズ事務所所属のアイドル・中居某がひき起こしたセックス・スキャンダルは、いまや事件の舞台を提供した(と推察されている)フジテレビという企業そのものの存続さえ危ぶまれる事態を招いてしまった。
2025年という年が明ける時に、こんな事態が出来するとは、一体だれが予想出来ていただろう?
昨年末の女性週刊誌報道があってから、曖昧な不安が周囲の人物の胸には去来していたであろうが・・・。
この事件、本来は経済誌であるイギリスのThe Economistでも報道されている。その中に、こんな下りがある:
Japan’s #MeToo movement has been “building up slowly”, says Miura Mari of Sophia University in Tokyo. In 2017 Ito Shiori, a freelance journalist, accused a reporter and the biographer of then-prime minister Abe Shinzo, of rape. Her criminal case was dismissed, but she won damages in a civil lawsuit. “Black Box Diaries”, her film chronicling the episode, became the first Japanese documentary to be nominated for an Oscar last month (though there is no release date for it in Japan). Her case proved controversial and sparked nationwide conversations. According to surveys, only 5-10% of people report assaults to the police in Japan, compared with 23% in America. Demonstrations also started in 2019 after four rape acquittals were handed down by the courts in quick succession.
Source: The Economist
Date: Feb 6th 2025
URL: https://www.economist.com/asia/2025/02/06/japan-could-finally-face-its-own-metoo-crisis
例によって、Google翻訳で和訳した日本文をコピーしておこう:
日本の#MeToo運動は「ゆっくりと高まっている」と上智大学の三浦真理氏は言う。2017年、フリーランスジャーナリストの伊藤詩織氏は、当時の安倍晋三首相の伝記作家で記者をレイプで告発した。彼女の刑事訴訟は却下されたが、民事訴訟で損害賠償を勝ち取った。その出来事を記録した彼女の映画「ブラックボックスダイアリーズ」は、先月、日本のドキュメンタリー映画として初めてアカデミー賞にノミネートされた(ただし、日本での公開日はまだ決まっていない)。彼女の事件は物議を醸し、全国的な議論を巻き起こした。調査によると、日本で警察に暴行を通報する人はわずか5~10%であるのに対し、米国では23%である。2019年には、裁判所が4件のレイプ無罪判決を立て続けに下したことを受けて、デモも始まった。
日本語として少し可笑しな箇所も散見される。が、十分使えるレベルだ。メディア界で言語の壁が消失しつつあるのは、日本人にとって大変素晴らしい事だと思う。
下線を引いた部分は、安倍元首相と親しかったTBS政治部記者・山口某が起こした性犯罪の事である。この事件の顛末を調べ上げるプロセスを記録したドキュメンタリー映画が『ブラックボックス・ダイアリーズ』で、「先月、日本のドキュメンタリー映画として初めてアカデミー賞にノミネートされた」とThe Economistは紹介しているわけだ。ところが、「日本での公開日はまだ決まっていない」とも付け加えている。
真田広之主演で昨秋にエミー賞を受賞した『SHOGUN 将軍』は、日本国内のテレビ局でも大々的に報道したが、伊藤氏の『ブラックボックス・ダイアリーズ』のアカデミー賞ノミネートは、国内TVのニュース番組は見切りをつけて最近はほとんど視ないのだが、TV画面で話題になっているのを視たことがない。
この件については、TV業界で《緘口令》が布かれているのではないかと邪推したい位だ。
だとすると、こんな情況も、世界からみれば
日本には報道の自由がない
そんな風に低評価されてしまうのは「ムベなるかな」である。
・・・こんな体たらくでは、高付加価値・知的サービスを軸とする「第三次産業主導型の経済成長」など、日本にとって「夢のまた夢」というところだろう。