トランプ米政権のスタートを契機に、ロシア=ウクライナ戦争停戦への道筋が見えてきたというので、大仰にいえば世間は《騒然》としている。
どうもこんな世情を見聞きするにつけ、日露戦争を知らなかったという日本の天文学者に、たまらなく羨ましさを感じる。
先日も投稿したように、新聞、TVについては基本的に《情報絶ち》をして、それなりに快適なのだが、ネット・アクセスを遮断するわけには中々いかない。どうしても情報の断片は視野に入って来るのだ。
こんな断片もあった:
国際社会は外交と制裁を駆使し、ロシアのプーチン大統領による「力による現状変更」を阻止しようとしてきたが、戦況はロシア優位に傾いている。
Source: Yahoo! JAPAN ニュース
Original: JIJI.COM
Date: 2/24(月) 0:46配信
URL: https://news.yahoo.co.jp/articles/1c42f042d27ba64824eb46bc6938632e82fe40df
この文中にある「国際社会は外交と制裁を駆使」という所だが、何も国際社会が一致して対ロシア制裁をしているわけではない。多数派ですらない。間違った事実認識だ。「少なくとも価値観を共有する西側社会は……」とでも言い直すべきところだろう。
自らが立脚する立場を無条件に肯定して、その前提には何も触れることなく、特定の判断を押し付ける報道は、《自省とは無縁の独断》というもので、もう卒業してもいいのではないだろうか?
真っ赤な嘘を嘘と知るのは簡単だ。しかし、本当らしく語られる意見が嘘であると見破るのは難しい。語る本人がそう思っているならなおさらだ。
社会が混乱する時代には、その昔、古代ギリシアの哲学者プラトンが《ドクサ》(=勘違い、思惑、独断、etc.)と呼んだ、こうした言説が広まるものである。
《多数者の見方を否定》することが出来る人、《真理》を語る人は、いつの時代でも少数である。ソクラテスはただ独りしかいなかった。少数の人が語ることに耳を傾けることこそ重要であるのが現代という時代だ。
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