それから
ネット上の言論の府”アゴラ”でも
など多数が寄稿されている。マスメディアでは今回の原発保障枠組みは東電救済であると評判が悪く、これもまた浜岡原発停止と同じく、菅総理は「歴史に評価をまつ」という心境だろう。賠償枠組みについてはアメリカも無関心ではないようだ。逆の意味で異論が出されている。これは新聞記事なので引用しておこう。寄稿者のジョン・ハムレ氏は、現在、米戦略国際問題研究所所長。米上院軍事委員会専門スタッフなどを経て、1997年にクリントン政権で国防副長官をつとめている。
福島第1原発で発生した事故を巡り、日本の市民や政治家らが抱いている憤りは十二分に理解できる。一方で、この問題で間違った政策対応を取った場合、より長期的な損害を生み出すことを忘れてはならない。
現在、日本で原子力による損害を補償する枠組み創設のための立法措置が議論されている。その骨子は原発を運営する企業に対して、被害者への賠償に上限を設けないものだと理解している。
東電や他の電力事業会社に無限の責任を負わせることは政治的には良いことかもしれない。しかし、(原子力)政策としては誤りと言わざるを得ない。電力会社の信用格付けを日本だけでなく、世界でも著しく損なう。いかなる投資家も上限のない責任制度に伴うリスクには耐えられない。
東電の信用は崩れ落ちる。それだけでなく、日本の原子力産業全体の信用も消し飛んでしまう。世界の原子力関連市場において、日本は中核技術・部品供給において、世界的に鍵となる供給源となっている。その主導的な立場も失うだろう。
日本には原子力エネルギーに対する新しい包括的なアプローチが求められている。これには既存の原子力施設に対する強固で独立した規制や、確固たる資金面での義務と免責、そして原子力に対する安全性と信頼性を高める確かな努力が伴わなければならない。
事故を受けて、誤った政策を遂行し、原子力産業全体を損なう事態になれば、日本は「第二の災害」とも呼ぶべき事態に陥る。今、必要なのは事を急ぐような立法措置ではなく、考えを重ねたうえでの行動だ。日本政府は国際的に認められた(原子力技術に関する)リーダーらで構成する「委員会」を創設し、包括的な計画を作成すべきだ。
この計画にはもちろん、損害に対する賠償制度も含まれなければならない。いくつかの参考モデルもある。米国が導入した原子力損害賠償制度「プライス・アンダーソン法」もその一つだ。原子力産業に極めて高い「安全と信頼の文化」を求めると同時に、投資家が恐れをなして電力事業への投資から逃げ出すことがないようバランスを取る必要がある。(以下、略)
(出所)日本経済新聞2011年5月12日1:28
極め付きで面白かったのは復興会議議長による以下の発言である。これも新聞記事なので引用する。
政府の東日本大震災復興構想会議の五百旗頭(いおきべ)真議長(防衛大学校長)は13日、日本記者クラブで記者会見し、歴史家の視点を持って被災地復興に取り組む考えを強調した。
その上で、応仁の乱(1467年)や戦国時代を振り返り、「国中が、血で血を洗う争乱で乱れに乱れた。今の首相がバカかどうかという問題のレベルではなかった」と述べ、菅直人首相の資質を問うべきではないとの認識を示した。
(出所)MSN産経ニュース 2011.5.13 18:41
私はこれ程までに広く国民が軽侮している総理大臣を知らない。東日本大震災や原発事故自体も未曾有であるが、いま日本の総理大臣に対して国民が懐いている軽侮の念も未曾有なのではないかと憂慮する。
次は、復興資金を政府はどう調達すればよいのかという問題だ。これもいま政府内で検討しているはずなのだが全く方向性が定まらない。これまたダイアモンド・オンラインから2本。
増税路線に対しては反対論も根強い。少し古いが
政府の資金調達というとき、それは日銀が発行する現金、ないしは銀行預金を指す。しかし政府が国民から信用されているなら政府が発行する国債を反対給付しても取引が成立する可能性が高い。そこで出てきているのは被災地の買い上げだ。これも色々な所で議論されている。文字通りのカネで買うのは非現実的である。そこで交付国債ということにならざるをえない、ということはこのブログでも書いたことがある。
水没した土地をどう評価するか?買い上げ区域をどう定めるか?買い上げてもらった人は何をするか?交付公債を流通させるか(させるとインフレになる)、金利のつく定期預金のような扱いにするかなど検討箇所は多数ある。
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