野合デナゼ悪イ?
民主党と維新の党 ー 但し元祖ではなく軒先を借りてから母屋をとった方である ー この両党が統合されることになった。
とはいえ、民間企業の合併とは異なり、政党ならではの独特の手順を踏むそうな。
ま、その詳細は省くとして、本日、上のような揶揄と反論が与党と民主党の間でかわされたと報道されている。
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これより先、民主党から選出された衆議院議員・鈴木貴子氏が離党したいと幹事長に願い出たところ、えらく怒られたそうである。
ま、貴重な議員が一人いなくなるのであるから、激怒したいという感情は理解できる。が、それにしても「民主党の看板を使って比例当選したのだから、離党するというなら、議席を返上せよ(=議員を辞職せよという意味か)」という言い草は、実際の行動と、言っている発言が矛盾していて、実に滑稽である。
民主党は一度全員が離党するのではなかったか。維新の党に所属する議員がほぼ空っぽになった民主党に入った後、離党した民主党議員が復党して一体になる。要するに、維新の党が主張してきた「両党解党」に近いことを行動で示そうというので、話がまとまったときいている。党名も「民主党」から別の名に変更すると噂されている。
とすれば、前回選挙の当選時に存在していた民主党は一度消滅するという解釈にたって、自分は同調できないので離党すると言ったとしても、それは甚だ筋のとおった行動である。ただまあ、あれである・・・「離党する」ではなく、全員が離党した後で「別の政党になってしまったので自分は戻らない」と言っておいた方が話しのロジックは通る、と。そんな気はするのだな、確かに。まだ当選した時点の「民主党」でありますから。
ま、いずれにせよ、これを「政治喜劇」と言わずして、何という・・・
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政党は特定の政策を実行しようとして結成される団体である。国家観、憲法観、政策思想等々、基本的な部分で意識を共有する人間が政党を構成するのが建前だ。よく使われる「野合」という単語は、政策思想が実際には共有されていないにもかかわらず、選挙に有利、または交渉に有利という理由で数を増やす行為を指す。そんな意味合いで使われてきた。
「野合だ」という批判に対して「野合でなにが悪い」と反論をするのは、選挙に勝つためなら何をしてもよい。誰とでも組む、と。そんな政治思想を示唆する。
もしこれが真実なら、要するに「権力を握るためには何をやってもいい」という思想とどれだけ違うのだろうか?
「武力(=クーデター)」だけは使わないというのが、暗黙の前提だろうが、世論調査でもまだなお40%以上の国民が支持をしている現政権を倒すためなら、野合だろうが、何だろうが、どんなことでもやるというのは、そもそも政治家としては失格なのではないか。
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その感覚、アブナイねえ・・・思わずそう思った次第でありました。打倒藩閥を呼号した明治の自由民権運動の時代とは世の中違うのだ。
やっぱり、民主党って団体、ありゃあ危険ですぜ、権力についたら何をやりだすか知れたもんじゃねえ。そう思った人が多いのじゃないか。
その社会で最も危険な人物とは、仕事ではなく権力を欲してやまない人物である。これは永遠の真理だろう。
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