新聞の報道では黒田日銀総裁によるマイナス金利導入とか、アベノミクスの限界とか、日本国内限定で株価急落の犯人捜しをやっているのだが、そもそも株価は純粋に金融的な現象ではない。また東京市場が世界の株価の低下を招いているわけでもない。
実体経済が景気後退局面に入ると予想されれば、それに先行して株価は下がるものである。それでなくとも、東京市場の場合、年末総選挙で自民党が勝ちそうな状況であった2012年秋から株価は上昇に転じ、そのまま上昇トレンドを3年余りも続けてきた。下がって当然の時機ではあったのだな。
世界の景気をOECDのComposite Leading Indicatorsでみても世界経済は全体として後退局面に入っていることは明瞭である。
OECD全体として2015年は緩やかな後退局面にあった。景気のピークが公式にまだ認定されていないだけである。先行き懸念は潜在していたわけである。
アメリカはリーマン危機のあと曲がりなりにもジグザグ的な回復を続けてきたが、これも2015年に入ってから変化がみてとれる。FRBは金利引き上げをいつ行うかで結構論議を続けてきたようだが、時機の選択としては上の図を見る限り、遅きに失していると言えそうだ。日本経済もまた同様である。マイナス金利導入も「最後の手段」というなら使っても可という選択ではあったのだ。
脆弱と言われてきた欧州経済は、景気動向指数で見る限りは回復色が強い。
メディアの報道ぶりと数字が示す様子には結構大きな隔たりがあるものだ。
ま、いずれにせよ今回の株価低下は日銀のせいでも、金融政策判断の誤りでもないと思われる。いつものとおりの循環的現象である。
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それにしても、正月頃の予想では3月頃に1万5千円のラインに近づいて、4、5月とその線を更に割り込みながら、もう少し下げるかと予想していた。
日本株が先駆けてまず暴落し、4月から5月にかけてアメリカ株がもう少し下げる、と。そう憶測していたが、どうも展開が1月早い。
日本株はもっと下がるということなのか。底入れ時期が早いということなのか・・・。
迷うところである。
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