2018年12月12日水曜日

メモ: 米中対立の「分析」になっているのだろうか

カナダ当局が中国の通信機器大手「華為技術(=ファーウェイ)」の副社長を拘束し、アメリカが身柄引き渡しをカナダに要請しているかと思えば、今度は中国がカナダ国籍の元外交官を拘束した。

これについては国内紙で次のような見方がある:
こうした中国の姿勢について、北京の外交筋は「力でかなわない米国ではなく、その同盟国を攻撃するのが常とう手段だ」と指摘する。在韓米軍が2016年、北朝鮮のミサイルを迎撃する防衛システム「最終段階高高度地域防衛」(THAAD)の韓国配備を決定した際も、中国は韓国系スーパーの営業停止措置を取るなど韓国たたきを展開した。 
 ロイター通信が報じたカナダの元外交官の拘束も、カナダへの報復との見方が出ており、両国の関係悪化は避けられない。
(出所)YOMIURI ONLINE, 2018-12-12, 00時03分配信

正面の主敵がアメリカであると認識していながら、そのアメリカが怖いのでアメリカの同盟国に対して報復する・・・と。

こんな下手な戦略を中国が採っているという見方は「分析」の名に値しないのではないか。

誰が発案しているのかサッパリ分からないが、カナダとの関係悪化を誘発すれば、喜ぶのはアメリカである。中国に分からないはずはない。

それともアメリカが中国を圧迫すれば、中国はこのような行動を選ぶだろうと予測したうえでのアメリカの戦略であったとみれば、これはアメリカによる絵にかいたような「間接アプローチ」になるが、これ自体はまるでエクササイズのような簡単な問題だ。

マア、あれやこれやと中国側の深慮遠謀を解説したくなる向きもあるだろう。が、最初の感想としては、中国は敵対する超大国を相手にパワーバランス外交を展開できるだけの戦略的理論や覚悟、経験など、必要な国家的成熟度が十分なレベルに達していないのではないだろうか。そんな印象が先に立つ。

だとすれば、何をしでかすか分からないネエ・・・

そんな印象だ。

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