2019年8月16日金曜日

一言メモ: ことわざ「他山の石」が役立つ韓国の失敗

昨日は終戦記念日であったが韓国では光復節になる。文大統領の演説はさぞや激烈な対日敵意に満ち溢れたものになるだろうと予想されていたが、それが案に相違してマイルド、というより日本に対話による解決を呼びかけるものであったというので、色々と心底を詮索されているようだ。

融和を目指していた北朝鮮からは「日韓軍事情報包括保全協定(GSOMIA)」を破棄せよと強請され、韓国とは接触に及ばずと突っぱねられる。日本とは輸出管理をめぐって「協議をする意思はない」と拒絶される。対日関係が悪化するので、対北朝鮮でより一層融和的に出ざるを得ず、それがまたアメリカから不信感をかう。「統一朝鮮」を語っては夢物語と揶揄される。ますます信用されなくなる。

どうやら「勝利の方程式」ならぬ「敗北の方程式」を選び取ってしまった形だ。

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こんな韓国の苦境を形容するのにマスコミは『覆水盆に返らず』という諺を愛用しているようだが、小生はズバリ
二兎を追う者は一兎をも得ず
そう言いたい。まさに絵にかいたような失敗例である。そう思うのだ、な。

北との融和・統一を長期戦略として目指すのなら、北と南だけで実現できるはずがなく、米・中・露・欧がからんだ巨大プロジェクトになる。

まず日本とだけは綿密なコミュニケーションを絶やさず固い盟約を確認しておくべきであった。もちろんそうするには、日本にも利益になることを韓国はしなければならないということなのだが、朝鮮半島マターで日本が利益を得るという選択は絶対にしたくない、そんな執着が合理性を欠く行動をとらせたと。そうも言えるだろう。

韓国だけではなく日本もタイアップして半島経営への不退転のコミットメントを発すれば、現在の両国の経済力、経済資源を考慮すると、米中露欧も影響された可能性がある。

文さん、あちらも立て、こちらも立て、複数の目標を一度に追及するという愚を犯したようだ。なぜそんな失敗をしたのかといえば、最優先されるべき第一目標、つまり「半島統一」にすべての政治資源を集中できなかった。自らに制約を課してしまった。対日敵意にとらわれた。『歴史を正す』という目標も自らに課してしまった。これを目標にするならアメリカとだけは意思疎通を密にしておくべきであった。北朝鮮融和は二次的目標とするべきだった。

あれも、これも……、秀才にはよく起こりうる失敗である。

日本も「他山の石」とするべきだ。

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