昨日の対韓優遇措置停止(=ホワイト国から除外する措置)に関する閣議決定。昨日時点でウォンの対ドル相場が1200ウォン/$を超えていたが、来週のウォン相場の行方が要注意だ。
FRBが7月末に0.25BPの利下げを決定した。これに対して『景気拡大中になぜ利下げ?』という声も多いようだ。確かに不思議なタイミングではある。
利下げは実に2008年以来10年振りのことになる。が、決定と同時に「利下げサイクルに入ったわけではない」と、これまたどうも訳の分からない一言をFRB議長が追加した。
金利の長短スプレッド等をみると実体経済のピークアウトが間近いことがわかる。米中紛争にともなう中国経済の減速から世界経済は既に「踊り場」から「後退局面」へ入りつつあるかもしれない ― 世界GDPの四半期動向は正確には分からないという統計的限界がある。
今回の金利引き下げは、「引き下げが必要な局面だとは言えないが、ちょっと下げておきますネ」という程度のものなのだろうか?状況はまた異なるが、1980年代末に円高不況を恐れるあまり低めの金利を継続し、遂に未曽有の株価バブル、地価バブルを招いてしまった日銀の迷いを何だか思い出してしまう。何なのだろう、下げておきながら「引き下げサイクルに入ったわけではない」というのは……。
世界経済を映し出す主な指標の一つである銅価格は、2016年春に大底をうち2018年春にピークをつけたあと、その後は下落基調を続け、この先もっと下がる見込みが強い。弱い兆候だ。原油(WTI)も同様で2018年の高値70$/Bから最近は55$/B、大体2割下がっている。一方、鉄鉱石は上がっている。2016年初の大底から2倍強は上がっている。とはいえ、2011年のリーマン危機後高値に比べればまだ6割程度の中位水準に留まっている。
総じて世界経済は「熱狂状態」とはほど遠く、むしろ温度が下がってきていて熱い湯を足したくなってきた、そんな感じに近いか。金利面では何もしなくともよい状況とも思われる ― 中国経済の減速が既にかなりの程度になっているという不安はあるのだが。
ハッキリしているのはNY株式市場の株価は一見するだけで高すぎることだ。2001年のITバブル崩壊、2008年のリーマン危機のあと、まるでロケットである。実体経済の裏付けがない。3~4割程度の株価調整が明日から始まるとしても当たり前だと思う。その調整が2018年に既に発生して進行中であるとは思われないのだな。株価調整にしては長すぎる。
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言えることは、現在の株価は金融現象であるということだ。『インフレは貨幣的現象である』とよく言われるが、通貨創造は金融によって行われる以上、金融現象でもある。同じ意味で、リーマン危機後の株価は金融現象化した。「金利を少し下げておきますネ」という動作は「もうちょっと株価を下げないでおきますネ、しかし上がるとは思わないで下さいヨ」と。下世話にいえばこんなことを米金融当局トップは言いたかったのではないか。いやいやホント、金融政策も世につれ、人につれ……である。
韓国経済のことも気になるが、もっと心配になるのはやはり世界経済の実態と金融とのバランスである。
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