2019年9月5日木曜日

福一原発汚染水の件

標記の汚染水海洋放出については以前の投稿でも考えたことがあって、その時は海流の方向からしてアリューシャン列島を領土とするロシアから法外な損害賠償を求められるリスクがあるのではないかと憶測したものである。

あるいはアラスカとの関係から米国がデータ共有を求めてくる事態もありうると予想した。

ところが、最近になって最も強硬に汚染水放出データの共有を求め始めているのは太平洋岸からは離れている韓国である。正直なところ、この線は予想外であった。無論、こうなった背景は周知の事であろう。

来年の東京五輪を人質にとる韓国の手口は陰湿でまるで朝鮮王朝時代の両班が政敵に対して因縁をつけているようであるが、日本側に問題のリアリティが現存していることだけは認識するべきだろう。問題の本質は日本の側にある。いまでもロシアや米国が福一原発処理に関連してにわかに厳格な対応をしてくるリスクは消え去ったわけではあるまい。解決に向けた日本の努力について、日本国内はもちろんとして、周辺各国の十分な理解が必要なことは当然である。

今回の韓国の豹変を「怪しからん」と反発するような姿勢をとるとすれば極めて愚かである。

そもそも日本は原発をどうするつもりなのか?急増する再エネ電源という現実があるにもかかわらず、やはり将来的には一定レベルの原発施設をベースロード電源として常時稼働させる予定なのか。それまでに増加しているはずの再エネ電源設備をどうするのか。投資家は十分なリターンを得られるのか。電力需要の見通しを含めた信頼あるエネルギー基本計画を経産省がいまなお示していない、というよりエネルギー問題から現・安倍政権は逃げ続けている。これもまた厳しい現実である ― 「逃げて来た」のはエネルギー問題だけではなく社会保障問題からも、財政・税制政策からも逃げてきたと言ってよいが。

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