2021年11月18日木曜日

ホンノ一言: 18歳未満児童への給付金と960万円制約の件

18歳以下児童に対する給付に年収制限を付ける件だが、世帯主の年収ではなく、世帯合計年収を基準に制約を設けるべしという指摘、というか批判が増えている。

確かに正論だ。


しかし、世帯合計収入を確認するにはちょっとした計算作業が要るはずだ。

必要なデータはそろっている。税務データが基本になる。年末調整と確定申告、その他一定金額以上の金銭取引が市町村には届けられているはずだ。

ただ、年末調整や確定申告データは個人ベースである。世帯構成は住民登録基本台帳データを参照しなければならない。世帯ベースの年収を得るには税務データと住民登録基本台帳データとマージしたうえで各世帯員の収入金額を合計して世帯収入を得るという作業になる。マージのためのキーはマイナンバーを使用するしかない。税務データでは、その世帯に18歳以下の児童がいるかどうかも分からない―いやっ・・「配偶者や親族に関する事項」を申告するから分かる事は分かりますな。それに配偶者特別控除との関連で年末調整には配偶者の年間収入を記入欄も(確か)あったわな。これを参照するってことかネエ・・・。何だか雑だと思うのだが。

税務データと住民登録基本台帳データは所管も違うし別々のデータベースで管理されているかもしれないが、それでも簡単なSQLコードでマージ作業は容易であるはずだ。ただ、本当にマージできるデータベースになっているのだろうか?地方の小さな市町村役場に必要なスキルをもった職員がいるのだろうか?マイナンバーはカード発行の有無にかかわらず全国民に付与されているのでデータベースにアクセスさえできれば、マージのためのキーとして使える。が、この作業にマイナンバーを使用しても可なのだろうか?マイナンバーの目的外使用には当たらないのだろうか?同じような問題は昨年の定額給付金でも発生していた記憶がある。


細かい点で問題が出て来て、ヤッサモッサしながら、時間ばかりが過ぎるというのでは、また再び内閣支持率が暴落すること必至だ。どんな隠れた問題があるのか、官僚ですら分からない状況になっているとすれば、もう日本の行政システムはブラックボックスそのものだ。


全国の1741市町村すべてで作業が完了するのが、来年の夏ごろになったというのでは、給付金の意味がないだろう。

理想からは遠く文句はあっても、確実に給付できる仕組みがあるなら、それを使うしかないのかもしれない。

安全第一。ここは手堅く確実に、ということだろう。


・・・年収制限をつけるとしても9割はカバーされるという。ほぼ全員である。敢えて年収制限を付けて、その制限の仕方がおかしいというので批判されるなら、いっそ「ばらまき批判」を覚悟して一律に給付してもよかったのではないか・・・そう思われます。

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と、ここまで書いて来た段階でカミさんがこんなことを言った:

カミさん: なにかサア、世帯主と配偶者の高いほうの収入が960万円以下にするって方法にもできるんだって。そうすれば、条件は厳しくなるよネ。やっぱりご主人と奥さんの両方の収入を市町村は知ってるんだよ。なら、合計も出せるんじゃない?

小生: ふ~ん、児童手当の申請時に世帯員の収入はすべて書かせてるのかなあ・・・?でも、すべての市町村でそのように聞いているかどうかは分からんなあ。

まあ、児童手当の申請時に収入を聞いているのかもしれないが、そのとき何か証明になるような書類、例えば源泉徴収票とか確定申告書の写しなどを添付しているのだろうか?

分からぬ。ホント、分からないことだらけだネエ、ということでカミさんとの話はひとまず終わった。


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