2023年12月23日土曜日

覚え書: 運送にも人が足らないのに、国防に人が足りるわけないのでは

 最近の投稿で、

日本に足らないのは人手だけではない。電力(≒エネルギー)もまた恒常的に不足している。

こんな事をメモしている。世間では「足りない、足りない」とばかり話している様子なので、人だけではないということを言いたかったわけだ。

そうそう、足りないといえば、日本政府もまたカネ不足である。が、まあこちらは日本国としては資金余剰(=経常収支黒字)、つまりは貯蓄超過(=投資不足)であるので、それほどは心配は必要ない。

本日は、米紙のNYTが、先頃、至極ご尤もな指摘をしていたので、転載しておきたい。

Japan has committed to raising military spending to 2 percent of gross domestic product, or by about 60 percent, over the next five years, which would give it the third-largest defense budget in the world. It is rapidly acquiring Tomahawk missiles and has spent about $30 million on ballistic missile defense systems.

But as the population rapidly ages and shrinks — nearly a third of Japanese people are over 65, and births fell to a record low last year — experts worry that the military simply won’t be able to staff traditional fleets and squadrons.

The army, navy and air force have failed to reach recruitment targets for years, and the number of active personnel — about 247,000 — is nearly 10 percent lower than it was in 1990.

Source: The New York Times

Date:  Dec. 13, 2023

Author: Motoko Rich and Hikari Hida

URL: https://www.nytimes.com/2023/12/13/world/asia/japan-military.html

防衛予算(=国防費)を対GDP比で2パーセント水準まで拡大しようという、誰もが知っている話しである。

その財源をどうするかというので、いま岸田内閣は苦悩しているのであるが、上のNYT記事は、仮に財源が増税か何かで(その何かはないはずだが)見つかったとしても、もう日本には「使える人」がおらんでしょう、と。

高齢化と少子化に歯止めがかからず、国のために動く人は減り、国から面倒をみてもらおうと願う人ばかりが増えている。これが戦後約80年が過ぎた今の日本国である。

国防ばかりは移民に頼るわけにはいくまい。

国防予算拡大が絵に描いた餅にならないよう願う。

軍事と外交、経済のリバランスをもう一度よく考えた方がよいだろう。経済は《経国済民》、経済をしっかりと固め、次に外交へ、最後に軍事をどう用いるかを考えるのが自然な順序というものだろう ― 戦力不保持という憲法上の、というか法理的な問題解決は脇に置くとして。

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