2024年3月26日火曜日

ホンノ一言: 幸福度指数と民主主義指数が日本は大きく乖離している。何故だろう?

現在時点の世界の悩みの核心の一つはロシア=ウクライナ戦争である。これは確かだろう。もう一つ、イスラエル=ハマス紛争もある。こちらは宗教対立、民族対立だ。

本日投稿のテーマは前者である。

ロシア=ウクライナ戦争をどう観るかと言うとき

民主主義 vs 権威主義

この対立構造が必ず言及される。

少し昔なら(それほど昔のことを経験しているわけでもないが)

民主制 vs 君主制

という言葉が良く使われていた。

これが使われなくなった背景には、イギリス、日本、その他ヨーロッパ諸国には、今もなお世襲による「王制」 ― 日本は天皇制 ― が残っているが、これらの国々は明らかに民主主義的である、と。こんな認識があるのだろうと思っている。それで「君主制」ではなく「権威主義」という言葉に置き換えたものと推測している。

君主制でも「明らかに民主主義的」である国がある一方で、君主を戴く国ではないが「明らかに非民主主義的」である国がある。

要するに、民主主義的であるかどうかは、明らかに判定できる、と。インデックスによるにせよ、国民の声によるにせよ、判定は明らかであるというのが前提になっている。


なるほど《民主主義指数》なる統計数値をイギリスの調査機関が公表しており、それによると、例えば西欧やカナダ、オーストラリア、日韓などは高度に民主主義的であり、アメリカやイタリアは日本よりは民主主義の度合いが落ちる。ロシアや中国は非常に非民主主義的である。こんな概観が得られる。

へえ~~~、そうなんだ

と感じる日本人は結構いるのではないだろうか?

物価と生活感覚がズレるように、統計数値というのは、概してこういうものであるのは、やむを得ないところだ。

ちなみに、ロシア=ウクライナ戦争の一方の当事国であるウクライナだが、西側陣営から支援されている割には、その民主主義指数は決して高くはない ― ロシアよりはマシだが、伝えられている政府の汚職や腐敗を思うと、「どっちもどっち」という所なのだろう。


よく民主主義と国民の幸福度は概ね比例関係にあると言われる。実際、<民主主義 幸福度 相関>で検索をかけてみれば、多数の研究結果を確認できる。

ところが<日本人 幸福度>で検索をかけてみると、日本人の幸福度は世界の中で必ずしも高くはない。寧ろ「先進国」と称されるグループの中では最低である。そんな結果になっている。

おかしいじゃないですか?

日本は非常に民主主義的なんでしょう?

民主主義になると政治参加が実現するので国民は幸福を感じるのだ、と。こういうロジックなんでしょう?

なのに、日本人が幸福を実感していないというのは矛盾しているではないですか?

ま、疑問文の形式で述べるとこんな問いかけになり、面白いダイアログがこれに続くはずだ。

確かに言えることは、

観察可能な数値としては日本は非常に民主主義的であるが、それが国民の幸福に結びついていない。

こんな見立てになる。ということは、

民主主義社会であるにも関わらず、国民の政治参加を強く制約している状況がある(はずだ)。

こんな風に議論は進む。あるいは

民主主義社会であるが故に、日本人は(本心では)幸福を感じられないのだ。

これが日本社会の特異な真相であるのかもしれない ― 日本の民主主義は敗戦後に連合軍から押し付けられたものだと観る歴史観は今もなお確かにあるし、一面の事実でもあるのだから。


《国民の政治参加》が実現されていることの必要条件は何だろうか?日本では、その必要条件を満たしていない点があるのだろうか?

日本社会の社会心理には、欧米世界と異なる特異性が認められるのだろうか?

幸福度指数と民主主義指数がこれほど大きく乖離しているのは、これを説明する科学的説明がなければならない。


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