2024年7月23日火曜日

ホンノ一言: これは精神年齢12歳の意見?

バイデン大統領が「高齢」を理由に大統領選から撤退し、ハリス副大統領が民主党候補に選出される流れになった。大幅に若返る。

これまでバイデン大統領の「高齢」を攻撃対象にしてきたのが共和党のトランプ氏である。

故に、今度は(同じ程度に高齢である)トランプ氏が「高齢」を理由に攻撃されるだろう。ブーメランだ、と。

こんな予想が日本語のネット空間では見られ始めているようだ — AFP時事によるこの記事が米国内のニュース空間でどの位の注目を集めているのか、ヒョッとして小生の目に入らないだけで、大した話題になっているのかもしれないが。


この予測は的外れだと思う。

バイデン大統領は「高齢」を理由に撤退したわけではない。高齢ゆえの衰えが明らかに露呈されているからである。先日の討論会で、若々しさは無理としても、枯淡の味わいをもってトランプ氏と応酬していれば、バイデン撤退論などはまったく出ては来なかったはずだ。むしろ支持率でトランプ氏を逆転できていただろう。

「高齢」ではない。「老衰」である。撤退を余儀なくされた理由は。

既に高齢のトランプ氏ではあるが、TV画面を通してみる限り、衰えはみられない。衰えのみられない老人は、「自分が老人に見えるか?」と問い返せばイイだけである。多分、トランプはそう問い返すのではないだろうか?迫力があるだろうナア、と予想する。

元気な老人は、若者の経験不十分や未熟さ、実績の無い点を突ける。そもそも有利なのである。トランプ氏は現職ではないが、前大統領であって「準現職」だ。選挙における現職の強さは理由のあることなのだ。ト氏ですら(?)、準現職の強みはあると思っておくべきではないか?

別の話にはなるが、たとえ「失敗」であったとされる民主党政権であっても、岸田政権の直前に民主党政権があったとすれば、「裏金」や「子育て支援策」で同じ失態を演じた自民党政権とどれほどの違いがあると認識されていただろう?安倍長期政権がはさまった分、民主党は分裂して完全に信頼を失い、岸田政権はその分だけ得をしているという勘定だ。

こう考える方が、むしろオーソドックスなのではないだろうか?


「高齢」を理由に攻撃したから、同じ高齢のトランプ氏は今度はブーメラン効果で批判されて苦戦するだろうという思考は、精神年齢12歳のレベルだと思う。

論敵を攻撃する場合、ブーメラン効果を心配する人が多い。しかし、「攻撃」をすれば、「反撃」されるのが世の常である。反撃に対して、十分な強さで応酬できる自信があるなら、やはり論敵を攻撃するのが常道で、戦いもせずに(後難を怖れて)穏便に出たり、妥協するという戦略ほど愚かな選択はない。

何だか近年の日本社会の情況を観ていると、

いつも、さかしらに、ごモットモな議論をして、結局は損ばかりする原因になっている<利口バカ>

こんな連想をしてしまうのでメモする次第。「利口バカ」は、小生の田舎の方言で、本ブログでも愛用している。「利口」とは、しばしば「臆病」と類義語であって、武士道で最も忌避される性格である ― かといって、武士道を盲信するあまり「損得度外視」で対米戦争に踏み切った戦前期・軍事政権も「バカ」であったには違いなく、こちらは「バカバカ」といったところだ。

【加筆修正:2024-07-27】

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