最近、小生が視るニュース番組はテレ東のWBSだけになった。「以前はこんなことはなかったンだけどネエ…」と、振り返ると驚くくらいだが、要するに他のニュース番組はサッパリ役に立たなくなった。そう感じるわけだ。
面白さと有用性とは往々にして反比例する
というのは、寄席やサーカスと相通じるところだ。
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そのWBSでは、このところ大物財界人の出演が続いていて、平井一夫・SONY前会長や孫正義・ソフトバンクグループ会長が結構面白い話をしている。で、こちらは面白さと有益さが比例している珍しい例となっている。
自分自身の経験に基づく話は、当たり前のことだが面白いわけで、屁理屈とは無縁なだけ役にも立つというのは自然な話だ。実際、ビジネススクールの基本教材であるケーススタディは、この種の成功体験物語になっている―日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」に似た教材もあってよいと思ったことがあるが、失敗の原因を精緻に分析すれば、それで成功へ至るわけでは決してない。成功するには成功の本質を先ず徹底して学習することが大事だろうと今では思うようになっている。
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その孫会長、番組中で
AIをこれから集中的にビジネス展開していくとすれば、まず大量の電力が必要です。これを日本としてどうするか?
考えていただきたい点なンです。
こう話していたが、メディア業界の従事者が怖がって避けて通る話題を、シンプルに指摘しているのは、忖度しなければならない先がそれだけ少ないので、言いたいことが言える、そういうことなのだろうと思いました。
メディアでメシを食っている「意識の高い専門家」は
だからこそ、再生エネルギーにもっと注力しなければならないンですよ。加速するべきです。
と、こんな風に一点賭けの発言しかしないが、彼らがお手本にしているドイツ経済だが、再エネ推進と脱原発の基本戦略が破綻して今は青息吐息だ。イギリス、アメリカはとっくに原発再評価路線に回帰している。
日本のいわゆる「良心的知識人(=良識派?意識の高い系?)」に《ドイツびいき》が多いのは、ずっと不思議に思っているのだが、日本人の《マルクス好き》、《マックス・ウェーバー好き》、《ベートーベン好き》、《ワーグナー好き》が、日本人の心性の何か核心に近い所を示唆しているのかもしれない。
マ、どちらにしてもドイツの高尚な国家エネルギー戦略は、何のことはないロシアからパイプライン経由で提供されてきた安価な天然ガスの上に成立していたわけで、それがロシア=ウクライナ戦争の勃発、長期化で、すべてはご破算になった。この厳しい現実があるので、ドイツのエネルギー戦略をこれ以上参考にするのは、極めて危険である ― この辺の事情は前にも投稿したことがある。
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《カーボンゼロ》を達成する政策として再エネ拡大を推進するのは、日本の国土利用としては目的非合理的、つまり非効率だとずっと感じてきた。それより日本国内の火力発電を可能な限り速やかに閉鎖し、化石燃料の使用を減らすほうが速効性があり、遥かに低コストかつ効果的だ。
閉鎖する火力発電を原発で速やかに補填し、再エネは可能な範囲で拡大すればよい。
エネルギーについては、少し前にも投稿したが、
東日本大震災以降、電力の供給ボトルネックに制約づけられているのは、上図からも分かる事だ。
解決するべき経済問題はエネルギーだけではない。食糧安全保障は、メディアでとりあげられることはほとんどないが、エネルギーと同程度に日本人の生活基盤に直結する話だ。端的に言えば《食料自給率》をみれば状況は分かる。
日本はG7で最低です
大都市経済は生産性の上昇が止まっているが、地方経済はむしろ生産性向上へのモメンタムが現れつつある。日本経済の成長機会は、人口が密集した大都市より、地方にある。
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