ポスト・バイデンが確実視されるカマラ・ハリス候補はリベラルに属する。Wikipedia、その他でこれまでの職歴、行動、発言の概略をみると、高い知性をもっている人物に思える。しかし政治家としては、思想はともかく、さしたる実績がないのが弱みである。
女性、というより大政治家として歴史に名を残したマーガレット・サッチャー・元英首相は、保守党・党首就任の前に教育科学相の経験しかなかったことが不安視されていたが、明確な右翼であり、閣僚在任中には「学校における牛乳の無償配給」を廃止する決断をしたという。賛否は分かれると思うが、まさに面目躍如という所だ。この種の武勇伝、というか前時代の日本でいえば「武功」というものが(ほぼ)ないのが、ハリス氏の弱みだろう。
「武功」がなくとも「能力」があれば、それで良いのだが、ただ普段の仕事が出来る(or 出来そう?)というだけでは「石田三成」になってしまう可能性がある。
こうしたタイプの人物はスキャンダルに対して極めてヴァルネラブル(=脆弱)である。石田三成は、職務に対しては至誠にして廉直、その日常は清廉潔白過ぎて人望が薄かったそうだ。が、武功もなく、単に清濁併せ呑むタイプであれば、要するに「便利なお調子者」で、命のやりとりをしてきた戦国大名達から信用されるはずがなく、バカにされるだけの存在であったろう。至誠と清廉さが関ヶ原合戦を可能とし、石田三成の命取りになったのは歴史の皮肉である。
ト氏はこの辺に標的を定めることだろう。まだ米・大統領選挙まで3カ月ある。人柄が四方八方から吟味(≒ 品定め?)されるには一先ず十分だろう。ハリス氏がどのようにして広く信頼を獲得していくのか、日本の若手政治家も興味津々で観ているに違いない。
日本の政界にもイイ影響が及ぶことを願っている。
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