2024年7月15日月曜日

ホンノ一言: 都知事選をどう観るかという場外バトルなのか?

元・大阪府知事、元・大阪市長にして、維新の会・元代表で、いまは現・政治評論家として著名な弁護士・橋下徹氏の発言は、過激でありながら本質をついた直言が多々あって、本ブログでも結構<橋下ネタ>を投稿している。実際、「橋下徹」でブログ内検索をかけると複数の投稿がかかってくる。


今回も小生の関心を大いに刺激するやりとりがあったので覚え書きにする次第:

元大阪市長で弁護士の橋下徹氏(55)が、14日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。13日放送のABCテレビ「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜前9・30)に出演した京大大学院教授の藤井聡氏(55)の発言について、強く非難した。

藤井教授は、7日投開票の東京都知事選について「選挙が得意なやつが票を集めるような選挙になってるんですよ」と指摘し「はっきり言って、有り体に申し上げますが、詐欺と同じです。“これ、ええで”って言って、全然アカンもの買わせるという話ですから、本当はすごくいい物を“いいよ”とちゃんと宣伝してくれる人のを買わないといけないのに、選挙が上手やというだけで選ばれるような時代になったら、その国は滅びるしかない。本当に僕は危機感を感じます」とバッサリコメントしていた。

 この発言を取り上げた記事を引用し、橋下氏は「お前みたいな学者が日本を滅ぼすんや!!何の役に立っているかの評価も受けない税金のタダ飯食らいが!!」と投稿。  続けて「なんで学者ってこうも偉そうなんや。何の役に立つかも分からん研究をいかにも意味があるように装って研究費を引っ張る学者が世の中に多数。こういう輩も立派な詐欺師や」と批判した。 

Source: Yahoo! Japan ニュース

Date: 7/14(日) 11:22配信

Original: スポニチ Suponichi Annex

URL:  https://news.yahoo.co.jp/articles/7b0ff228de3f3aae461d96c47ecec2d022764c18

要するに、先日の都知事選は「政治家の選挙」というより「選挙屋の宣伝合戦」になっているという京大のF教授の批判に対して、橋下氏が「だから学者は詐欺師なンだ」と非難している。そんな図式である。

出所がスポーツ新聞だからか、記事はスポーツ志向、エンターテインメント志向の香りが濃厚だ。


ただ思うのだが、政策綱領なき政争になっている日本の政党政治に関しては、政党が「全国的な選挙互助会」に変質していると、本ブログでも感想を書いたことがある。

多分、橋下氏の目線に立つと、選挙では「選挙屋」になって、勝利することが即ち民主主義下の政治そのもので、ここにこそ政治のダイナミクスが発現するのである、と。そういうロジックになるのだろうが、これでは選ぶ側の有権者のレベルに応じた「選挙屋」しか選ばれない結果になり、選んだ側の有権者自らが、自分が招いた劣悪な政治レベルに不満を募らせるだけになるのではないだろうか?

大体、社会的に解決するべき社会問題に解を与えることこそ政治家の役割だ。そして個々の問題解決には提案期限が決まっていると認識するべきだ。10年もかけて審議できる裁判とは違う。不確実な情況下で責任を負いつつ問題に取り組むのが政治家の宿命であると思ってきたのだが違うのだろうか?

しかるに、その解決方法に政治家自身が迷い、どれが正しいかを国民に判定してもらおうとする政治スタイルが、「民主的」であるとされて好まれる傾向が民主主義国家にはある。

みんなで決めましたヨネ

という奴だ。


しかし、これも本ブログでも投稿した事だが、問題を解決できる正しい解を真に理解できる人は少ない。まして正しい解決方法を発案し、提案できる人は極めて少数である。

人は為しうる事をなすものだが、為すべき事をなせる人はごく少数しかいない。

問題を解決するには《才能》がいる。こんな当たり前のことはビジネスでは常識だろう。 

確かに、民主主義は社会の「集合知」を発揮できる政治的装置だが、集合知の8割は2割の人材が寄与して形成されるものだ。つまり、民主主義社会の運営にも、実は「パレートの法則」は当てはまる。上にリンクを付けた投稿は「能力分布の経験則」についてだが、だからこそ「民主主義」は民主主義でも「代議制民主主義」が望ましいと小生は思うし、一院(=下院としよう)が「普通選挙」によるのであれば、一院(上院としようか)は業績に基づく「推薦審査制」によるのが善いとホンネでは信じている。首班は下院に指名権があるとしても、上院の承認を必要とするべきだと思う。

要するに、何らかの方法によって、有能なヒトを選出するべきなのである。

マ、個人的な好み、というか個人的経験を踏まえた現在の主観である。

先日の都知事選は全体として色々な側面があり、視る角度によって評価は様々に分かれる理屈だ。都知事を選出するという最終結果は理解できる結果ではあった。しかし、それは一人が実績に裏付けられた現職であったからだ。仮に、政党がすべて信頼を失い、候補者がすべて(一応)「無所属」で「初陣」。先日のようなレベルの政策構想で選挙を行ったとして、有能な都知事が選出されたであろうか?極めて疑問であるという気持ちは、上の京大教授と感想を同じくする。

なので、今回の論争ばかりは

お前みたいな学者が日本を滅ぼすんや!!

とは、どうしても共感できないのだ、な。

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