今日の標題自体は、(小生にとって)さして重要な事柄ではない。所詮は、兵庫県という縁も所縁もない ― カミさんの実家は三田市に代々居住していたが今は近親者は一人もいない ― ローカルな地域での出来事なのである。
しかしながら、普遍的な問題として公共のテレビがとりあげているので、日本全体にかかわる問題として何があるのか、と。考えざるを得なくなった。
ホント、時間の無駄であるような気がする。
いま現時点で、最も有名な都道府県知事は誰かという問いかけに対して、多くの人は兵庫県知事の斎藤さんを挙げるかもしれない。
もはや東京都知事の小池さん、大阪府知事の吉村さんより、真っ先に名前が思い浮かぶのは斎藤さんではないか、と。まして、東京、大阪以外の普通の県知事においてをや、である。これはもう、異常な状態だと思う。
そんな風に思案していると、兵庫県内の(多分マイナーな)広告会社が選挙プランナーとして斎藤さんの選挙運動を取り仕切り、斎藤さん当選にまでこぎつけた、と。当の広告会社の社長さんご自身が、その内情をネットで公開したというので、
これは公職選挙法違反ではないか
そんな疑惑に(斎藤さんまでが?)包まれている。これまた異常な状態だ。
なぜこんなことになってしまうかネエ?
そんな疑問が当事者である兵庫県民にもあるのじゃあないかと推測される。
★
まあ、公職選挙法自体の条文が、現代においては時代遅れであり、公正な選挙を実現するという当初の目的から乖離しつつある。特にインターネット、SNSやYoutubeが広く浸透してきた現状ではそうだと思っている。
それはともかくとして、本日のワイドショーでも、ごく最近の失敗にこりてか、恐る恐るという様子ではあるが、
疑惑は疑惑として放送せざるをえません
と、こんな言い訳をしながら、
ネットで炎上している《疑惑》に乗っかる
という戦術を(相も変わらず)単純反復している。
★
今回の件で小生が最初に疑問に思った点は
これは業者の側の守秘義務違反ではないか
ということだった。内々の事情をネットでオープンにすることについては、斎藤さん側の許可を得る必要があったはずだし、そんな許可を斎藤さんが与えるとは考えにくいからだ。
何しろ《守秘義務》というのはビジネスパーソンなら誰もが徹底的に意識する事柄で、ビジネススクールの最終発表会で自社に関係するビジネスプランをプレゼンする時には、教職員、学生一同で《守秘義務誓約書》に署名するほどである。
まして広告会社の社長なら《守秘義務》について無知であったはずはない。
しかし、広告会社の社長さんは、何の隠し立てもせず、堂々とオープンにした。
ということは、小生が推測するに、契約ベースで受託した事ではなく、故に
何のしばりもないワネ
社長さんが、勝手にそう解釈して、内幕を堂々と公開したのではないかナア……、というのが小生の推測だ。目的は、自己顕示欲や承認欲求などなど、色々と取り沙汰されているようで。
それが結果として、大炎上となったのは、「可燃性ガス」が充満している今の兵庫県の県内政情を配慮できなかった、ある意味で《世間知らず》であったのだろう、と。これが小生の見立てであります ― 2チャンネルのヒロユキ氏辺りは別の観方のようでありますが。
★
いま上の社長さんにメディアから面談要望が殺到しているそうだが、すべて断っている由 ― ま、当たり前である。
結果として、疑惑が生じた以上、ポイントとなるのは選挙管理委員会の判断、警察・検察の判断になるのが理屈だ。
今朝、小生がカミさんと視ていたワイドショーでは
発覚した以上、厳しく捜査をするべきです。交通違反も発覚したヤツが処罰されるわけですから ― という言葉だったかな?ま、主旨はこんな主旨だったと思う
と語っていた。
どうも、今のTV局は
人が処罰されて、皆さん、スカッとした気持ちになるのをお手伝いします
まさか、こんな気持ち、というか目的で放送プランを立てていないヨネ?……と、そんな疑問が時々胸にわいて参ります。
何しろ日本社会の閉塞的状態、何とかしたいですからネエ。誰か悪い奴が処罰されるのは、真面目な人にとっては、一服の清涼剤でしょうからネエ……、個人的には一番嫌いな社会だが、マスコミも需要には応える必要がある。動機が善であるだけ始末が悪いのだが、小生も頭では理解しているつもりだ(_ _)
★
今回の混乱の要点だが、
全体として、公正な選挙が実現されていたか?
斎藤さんが当選したという結果は、兵庫県民全体の自由な意志の発現として、尊重するべきだと判断できるか?
正にこの点だけであって、ワイドショーの威勢のいいコメンテーター辺りは
疑惑は疑惑として解明し、もし違法な行為があったのであれば、処罰し、失職させるのが当然の論理です。
と。こんな風に考える御仁も現代日本には多い(?)ようだが、 仮にこれが正しいなら
速度違反をしたドライバーは、平等の観点からも一人残らず、すべて摘発し、処罰するべきです。それが出来るだけの機器を道路には設置しておくべきです。
という理屈になってくるのではないか?
たしかに「法」は厳格に適用されるだろうが、一体、そんな日本にしたいと、本気で願っている日本人がどこにいるって言うのでしょう?
そうなって喜ぶのは、権限が強化される警察、検察と、報道ネタを探しているテレビ局、新聞社だけでござんしょう。
思うのだが、テレビや新聞社とも、取材できる人間は(いくらでも?)いるのだから、断られても事の発端となった投稿をした女性社長の声をまず拾うことくらい、したらどうなのでしょうネエ? 社長に会えずとも、社屋のたたずまい、社長の評判くらいは、取材できるでしょうに。それをしない理由が分からヌ。
そもそも法律というのは、《立法目的》があるわけで、刑罰や処分自体が目的ではない。道路交通の安全が実現されていると行政当局が判断すれば、速度違反をしてもお目こぼしになることが多いのも、そのためだと小生は勝手に理解している。
刑罰や処罰には、目的があり、違反者を一人残らず処罰すること自体が目的ではない。
小生の思考回路はこんな風なので、従って
今回の兵庫県知事の選挙において、兵庫県民の意志は公正に現れていたか?
この一点の判断が重要で、重要なのはこの点だけである。そう考えますがネエ。
であるので、選挙管理委員会(及び所管する総務省?)の判断がキーポイントで、いきなり警察や検察が首をつっこんでくる話しじゃあ、本来はない。
選挙は民主主義の要であり、選挙が全体として公正であったなら、その結果を尊重するべきだ。選挙が公正であったかどうかは、上級担当機関が先ず判断するべきこと。告発するべき個別的事実があれば、警察、検察の強制捜査に委ねる。最終的には裁判所が黒白を決する。
これが民主主義の原理・原則だと思うのだが、別に違った意見を持つ人が多いのかな? そもそもの話し、普通の日本人の国民投票で、憲法改正すら出来るし、与党が出してきた憲法改正案を否決して政権を葬り去ることも出来るのである。
その位、有権者の投票結果は神聖であるのが、民主主義国家の根本原則で、選挙結果を覆すというのは、総務省であれ、警察・検察であれ、並大抵の覚悟じゃあ出来るものではない。それとも、意外とクールに要件が満たされれば、(日本はかなりの官僚国家だから?)オートマティックに「選挙無効」の判定を出してしまうのだろうか? そこまでは専門外のため分かりません。ただ、結論は早く出さないと、万が一「選挙無効」なら「知事就任」も無効であったことになり、就任後に斎藤さんが決裁した全てが無効となる理屈になるのではないか。ただ、この辺の法技術的な点は詳しく知らない。
・・・ということで、今回の件で小生が関心がある点は(今のところ)
とにかくも民主主義的な選挙を行い、現知事を県民は選んだ。この事実を、事後になって覆す、というか、今回の知事選の結果は、県民の自由意思の表われとはみなし難い、と。そう判定するのに十分な事実が出て来るのか否か?
これだけです。
野球で、資格ある審判が一度セーフの判定を下したあと、その判定にチャレンジされることは多い。当初の判定をくつがえす程の明確な映像があるのか否か? これがチャレンジで行われている審査だ。例えとしては悪いが、これと結構近しいロジックを今回もとるべきだ、と。そう思います。
(何度目になるか)マ、違反を摘発するのは担当機関に任せるとして、こんなところです。
それにしても、嫌味は言いたくはないが、
ネットの疑惑を切り取って、それをそのまま材料に使うなんて、テレビ情報は《加工情報》にもなっておらず、まるでコピペで作った《学生レポート》のレベルである。
しっかり考えて、要点をおさえてから、パブリックに放送してほしいものだ。
このままじゃあ、テレビ、またやられますゼ
心配してます。
【2024-11-26】
0 件のコメント:
コメントを投稿