旧・統一教会の専門的ジャーナリストである某氏が、『いま韓国の統一教会本部に向かって大量の日本人信者が訪韓しているのは《合法的マネーロンダリング》だ』と。こんな見解をネットでも発信している。
小生、旧・統一教会が日本で犯してきた数々の非行は、正直なところ、そのどこが犯罪であったか、その思考ぶりを正確にフォローできない所もあるのだが、それより
合法的マネーロンダリング
この言語表現については、へえ~~~っと感じました。
確かめたい問いかけがあるとすれば、
要するにいま進行中の大量訪韓は合法とお考えですか?それとも違法と言いたい?どちらですか?
これである、ナ。
小生の判定基準では
合法なら問題なし。違法なら検察当局が起訴するべきだ。
実にシンプルな方式でしか、考える回路をもっていない。
合法ではあるが、マネーロンダリングにあたる以上、感心できない。
率直に言って、そんな思考は極めて不健全だと思うし、違反もしていない信者がマネーロンダリングに協力している(?)という批判、というか「当てこすり」は、真面目な(?)信徒たちに対して無礼であろうと感じる。
それより以前にこの筆者の頭の中の構造だが
合法である行為の集合を$L$とする。この集合$L$は、モラルとしても許される集合$M$とモラルとして問題がある集合$L-M$という二つの部分集合に分割される。即ち、法的に問題がない行為でもモラル的には問題があるケース、つまり$L - M$が空ではないという可能性がある。
どうもこうなっているらしいのだ。
小生はこれとは真逆に考えている。即ち
モラル的に問題がない行為であっても法的には問題がある行為がある。上の記号で言うと、$M \subset L$ではなく、$L \subset M$と考えている。
例えば、親を殺害された子が逮捕もされず逃げおおせた犯人を自ら探し出して仇を討つという行為は、(小生の)モラルとしては共感できるところだ。しかし、殺人である以上は、この復讐は近代的法制の下では絶対に許されない。
つまり、小生の個人的価値観では
モラルとして許される行為は、法的には許されない部分と法的にも許される部分に分割されている。記号で表せば、モラルに合致する集合$M$は合法である部分$L$とモラルには合うが法には反している$M - L$の二つに分割される。
こう考えているわけだ。
逆に補集合をとると
法的に許されない行為の方がモラル的に許されない行為より広汎で範囲が広い
こんな論理で小生は考えているわけだ。なので
モラルとして許されないわけではないけど、法律上は(一応)違法なんだよネ、残念ながら・・・
こんな結果が生じるのは、小生の価値基準に基づけば当然の理屈である。
ところが、最初に引用した筆者は、小生とは真逆の思考回路を持っているようで
法律上はいいんだけど、モラルとしては許されないんじゃない?
こう言いたいようだ。言い換えると
法は寛大だが、モラルは厳しい
世の中はこうなんだ、と。
小生はこれに反して
法は厳格だが、モラルは寛大
こちらの方が好きだ、と。こういうまとめ方になる。
刑務所から出てきて、親族が集まって、
大変だったナア、これから頑張れよ、お前は本当は悪くなんかない。世の中には本当に悪い奴もいるけど、そんな奴は必ずつかまる。お前は違う。そう思ってるヨ・・・
個人的には、そんな世間の方が生きやすいように思う ― もちろん冤罪を犯さないことが最も大切であると思っているのは言うまでもない。逆に、法律的には何の問題もないのに、何だか非難がましい目線で他人をみるような社会は、「イヤだネエ」と感じてしまう。
法律が認めてるなら放っておけばいいだろうに・・・
なので、最初に引用した「マネーロンダリング氏」の見 解には同意できない。
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